エプロンはレストランやカフェなどの飲食店の他にもハウスクリーニング業、書店、保育、
介護や医療の場など、様々な職場で季節を問わず選ばれるユニフォームであり、
ファッション性を兼ね備えた作業着とも言えます。

エプロンを付ける第一の目的はなんといっても「汚れを防ぐこと」ですが、
防水・撥水・撥油性が高いなど機能性の高い素材を使用したエプロンは調理の場で怪我を防ぎ、
胸や腰などに収納力の高いポケットを備えたエプロンはハウスクリーニング、
ガーデニングの場での作業効率を高めます。

しかし一口で「エプロン」と言っても種類や形は豊富にありその付け方も様々です。
新しい職場や採用されたアルバイト先で、
見たこともない形のエプロンを前にして困ってしまうことのないよう
エプロンの付け方・着方についてみていきましょう。

【参考記事】結び方で印象アップ!今すぐ使える結び方はこちら!▽

どんな形のエプロンも着方は基本的に同じ

エプロンは大きく分けるとの3つのタイプに分けることができます。

ビブエプロン:胸当てがあり、首から下を覆うタイプ

使い勝手の良さから一般の家庭でも多く使用されるタイプです。
胸当てタイプもデザインによって種類が分けられています。

img01_エプロン

・たすき掛け(X型)

背中部分の紐がアルファベットの「X」状にクロスしている。腰紐の調節で体形に合わせる。

・H型

背中部分がアルファベットの「H」状になっている。腰紐がなくボタンなので着脱が楽。

・首掛け型

首にかけて着用する。肩紐と腰紐が別になっているので、後姿がスッキリ見える。

腰から下を覆うエプロン:サロン、ギャルソンエプロン、ソムリエエプロン、カフェエプロン等

img03_カフェエプロンリボン

ショート丈からロング丈までデザインも豊富にあり、その呼び方も様々です。
ギャルソンエプロンやソムリエエプロンはロング丈、
カフェエプロンはショート丈やミディアム丈を指すことが多くなっています。
日本ではこのタイプのエプロンをまとめて「サロンエプロン」と言いますが、
英語圏での「サロンエプロン」は耐水性などの機能を持つ
理容業向けのエプロンのことになります。

ベスト型エプロン:頭からすっぽりかぶるタイプ

前後に布があり、頭からかぶって着用します。
ベスト型の他、ワンピース型、スモック型などもあります。
背中側にも布があることから保温性があり、
肩紐がないので激しく動いてもズレの心配がありません。

保育園や幼稚園、介護や福祉の場でこの型が用いられる理由の1つです。

このようにエプロンには種類や形が豊富にありますが、
どのような形でもエプロンの紐を正しく結んで身に付けていると、
清潔感やきちんとしたイメージを与えられるだけでなく、
衣服が体にフィットして腕や足の曲げ伸ばしが楽になり、
作業がしやすくなるという効果があります。

「紐を正しく結び、体にフィットさせる」どんな形のエプロンも付け方は基本的に同じです。

エプロン着用の定番、リボン結び

X型のビブエプロンの一部、H型のビブエプロン、
頭からすっぽりとかぶるタイプのエプロンは腰紐がなくボタンで固定するものも多いので
着脱が簡単で便利といえます。
腰紐を結ばない分、体への負担は少なくなりますが、
ファッション性、スタイリッシュさに乏しい印象になるというデメリットもあります。
腰紐がないタイプのエプロン以外では、
エプロンを付けるとき紐を縛る基本・定番は「リボン結び」です。

胸当てタイプのエプロンでも腰から下を覆うタイプのエプロンでも、

・左右の腰紐を背中側でリボン結びにする
・左右の腰紐を背中側に一度回してから前に持ってきて、体の正面でリボン結びにする。

のどちらかを選んで着用します。

リボン結びの作り方

1.左右の腰紐をシワやねじれがないようにまっすぐ伸ばし交差する
2.重なりが上になった紐を逆の紐にくぐらせる
3.下側の紐で輪を作り、上になった紐を輪にかぶせながら輪の根元の隙間に半分にして折り込む
4.リボンの両側の輪が均等になる様にする
5.シワやねじれを伸ばすなど形を整えて完成

背中側でリボン結びをしたときに出来上がったリボンが正面を向かずに
縦結び(縦方向を向いてしまう)になることがあります。
正面で結ぶときは下側の紐、上側の紐と意識できますが、
背中側で結ぶときには目で確認をすることができません。
リボン結びの作り方③で輪を作った紐が下になっている紐であれば上の紐を必ず上からかぶせる、
上の紐で輪を作っていたら下の紐を必ず下からかぶせ上げながら折りこむようにすると
縦結びにはなりません。

【参考記事】コックコートの正しい着方って知ってる?これを見とけば間違いなし!▽

 

かっこよくキマる一文字結び

コックコート_着方_一文字

ソムリエタイプのエプロン(腰から下を覆うタイプ、ロング丈)は
スタイリッシュなイメージが強く
ファッション性に富んでいるので、
ソムリエのいるレストランではもちろん、ワインの飲めるバー、カフェ、スイーツ店、
生花店などの他、様々なイベントなどでも広く使われています。

このソムリエエプロンを始めサロンエプロンを付ける人にお薦めの結び方が
「一文字結び」です。

カフェやレストランでの仕事中エプロンからリボン結びの紐が垂れていると、
重い荷物を運ぶ際に引っかけて危険であったり、
汚れ物に触れた紐がお客様やテーブルなどに触れてしまい大変不衛生であったりと、
飲食店での仕事に不向きな場合が少なくありません。

こうした場合は結んだ紐が垂れず、見た目もすっきりとした「一文字結び」が最適です。

一文字結びの作り方

1.左右の腰紐を背中側に一度回してから前に持ってくる。
(背中側に回した腰紐に乱れがないか、チェックすることを忘れない様にする)
2.正面の中央で一度しっかりとクロスし片方をくぐらせる。
3.下側の紐を上に持っていきもう一度くぐらせ、しっかりと固結びをする。
4.片方の紐の先から適当な長さにジグザグと折りたたんでいく。
5.折りたたんだ紐を固結びの上で押さえながら、残った紐を下から上へと結び目に巻きつける。
6.余った部分をお腹側に入れ込み形を整える

エプロンの上にベストを着用するソムリエや衛生的であることに留意する板前さんの白い前掛けは
この一文字結びで付けられています。

【応用編】慣れれば簡単 バッククロスエプロンの付け方

「エプロンの付け方」に悩まされるという声が多いのが、
もう一つの肩紐と腰紐がつながったタイプのバッククロスエプロンです。

バッククロスエプロン(ビブエプロン、たすき掛けX型)にも2種類のエプロンがあります。

肩紐と腰紐が別々になったエプロン

左の肩紐の先にあるボタンを右側腰紐の元にあるボタンホールでとめ、
右肩紐の先にあるボタンは左側腰紐の元にあるボタンホールでとめます。
腰紐は背中でリボン結びをするか、正面に回してリボン結びをします。
(腰紐のないタイプもあります)

肩紐と腰紐がつながったエプロン

幅広の布が後ろでクロスされていて、
全体が立体的に1枚の布になっているタイプのバッククロスエプロンもあります。
肩紐、腰紐、ボタンなどが何もないので、肩にかかる負担が少なく、着脱も楽にできます。
ガーデニングをする主婦に人気のスタイルです。

バッククロスエプロンの付け方

1.胸当てから出ている2本の肩紐を腰部分の両側にあるループにそれぞれ通す。
この時に左側の肩紐は左側のループへ、右側の肩紐は右側ループへ通すことに注意する
(バッククロスですが、この状態では背中部分のクロスはありません)
2.肩紐をループに通したら、腕を通してエプロンを胸に当てる
3.エプロンの両脇に紐の通しの穴がある。片方の紐を反対側の通し穴へエプロンの裏側から通す
(通し穴は両方にあるがどちらか通しやすい一方でよい)
4.もう一方の紐は通し穴を通さず、背中側を回しながら前へ持っていく
5.両方の紐を正面でリボン結びする

肩紐と腰紐がつながって1本になっているので、
付け方を知らないとエプロンを上手く付けることができません。
肩紐と腰紐がつながっているので、
ループに通した紐を正面で引っ張ると肩紐の調節が簡単にできるメリットがあります。

身だしなみの基本 エプロン着用法をマスターしよう

エプロンは衣服の上から付けるものなので、
エプロンの種類や形、付け方を知っていれば簡単に身に付けることができます。
その一方でエプロンは簡単な布に肩紐、腰紐がついただけのシンプルな作りなので
何の知識を持たないまま付けようとすると、
平面である布を体に合う立体にして上手く着用することは意外に難しいのです。
職場でユニフォームや作業着としてエプロンを着用する場合、
エプロンについて事前に知っておくことが大切です。

エプロンは機能性や実用性の面から仕事の効率を上げるだけでなく、
ギャルソンエプロン、ソムリエエプロンの様にその職業をスタイルアップし、
空間の雰囲気づくりにも役立ちます。
知識を持ってエプロンをスマートに身に着けましょう。

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