食品工場で働く作業員の方が注意しなければいけないのが、徹底した衛生管理です。人の口に入る食品を扱う以上、少しでも汚れや異物が混ざってしまえば、工場が停止に追いやられてもおかしくありません。
中でも特に気を付けたいのが、髪の毛の落下です。きちんと対策をしているつもりでも、正しく帽子を着用できていなければ事故の原因になりかねません。
そこで今回は、食品工場における正しい帽子の被り方を解説していきます。
このページの目次
一般的な食品工場作業の服装
一般的な食品工場作業員の服装は、下記のようなスタイルとなっています。
- 衛生帽子
- 工場用白衣
- パンツ
- エプロン
- 安全靴
衛生管理が特に厳しい食品を扱う工場において、作業員の全身をしっかりとカバーするためにこのような服装を義務付けている職場が多いです。
中でも注意すべきが帽子です。正しい着用方法を知っておかないと髪の毛や髪の毛に付着しているゴミが食品に混入する恐れがあるからです。
特に女性で髪が長い方は、きちんと全部の髪の毛を覆うように被らなければなりません。帽子のタイプも工場によって指定される形式が様々です。
HACCPの義務化で衛生管理の厳重化が進む
2020年6月に『HACCP』を義務化する改正食品衛生法案が施行されるため、今後の衛生管理はより一層厳重になっていきます。対象となるのは食品の製造・加工・調理・販売などを行う全事業者で、広範囲に影響を及ぼす制度と言えます。
HACCPとは、食品等事業者が食品を製造する過程で生じる危害要因を除去して、安全性を確保するための衛生管理手法のことです。諸外国ではすでに義務化されているものの、日本国内ではまだ一部の大手企業しか取り入れていないため、立法措置が講じられました。
これにより、HACCPを導入した施設ではガイドラインに沿って従業員の教育・訓練を行い、定められた製造工程を遵守することが求められるようになります。つまり。従来よりも一層衛生管理が厳しくなるということです。
1年の経過措置が取られるのですぐに変化するわけではありませんが、それぞれの現場で衛生管理のルールが変更されることが予想されます。今のうちからでも正しい服装の着用を意識していれば、柔軟に変化に対応できるのではないでしょうか。
食品工場での正しい帽子の被り方
食品工場ではまず最初にヘアネットを被る職場がほとんどです。ヘアネットを正しく着用できれば、髪の毛をきちんとカバーできるので衛生面も安心です。正しい着用方法にはコツがあるので、下記の手順で被りましょう。
- 髪を後ろに束ねる
- インナーキャップを裏返して異物が付着していないか確認する
- 裏返しのまま中心が顔に来るように額に当てる
- 額を固定したままもう片方の手で裾を裏返して被る
- 中心がズレないように固定しながら引っ張る
- 髪の毛がはみ出ていないか確認する
コツとしては、きちんと裏返して額に固定しながら被ることです。これにより髪を後ろに束ねた状態崩さずに着用が可能になります。普通に上から被ると髪の毛が下からはみ出てしまうので注意しましょう。
帽子（キャスケット）タイプ
帽子タイプは簡易的に髪を覆うことができる手軽な衛生帽子です。メッシュ素材のデザインも多く、通気性が良いので汗で蒸れにくいメリットがあります。
ただ、これだけだと髪の毛がはみ出る可能性もあるので、ヘアネットの上から被ることが多いです。後ろから束ねた髪を覆うようにして被ることで、髪型を崩さずに着用できます。
フードタイプ
フードタイプの特徴は、後頭部全体を覆う大きな布（ケープ）がついている点です。ケープは白衣の中に入れることで、体毛落下対策をより確実に行うことができます。
ヘアネット同様の被り方で大丈夫ですが、顎周りの調節も必要な帽子もあります。必ず隙間が生じないようにボタンやファスナー等で調整しましょう。
ショートフードタイプ
ショートフードタイプはケープがないので、フードタイプと比べて低コストで手軽に着用が可能です。ケープがない分着脱も楽ですが、体毛落下を防ぐ効果はその分劣ります。
後頭部や顎に調節テープ、ボタン等が付いているので、隙間が生じないようにきちんと調整しましょう。
髪の毛落下を防ぐためにも正しい帽子の被り方を！
人為的な異物混入事故は、作業員の正しい衛生管理で防ぐことができます。特に気を付けたい髪の毛の落下は、一人一人の正しい帽子の被り方で左右されるので、これを機に自分の服装は正しく衛生管理ができているか見直してみましょう。
衛生管理だけでなく、ストレスなく快適に作業ができるような帽子選びも重要です。ネット通販ならサイズ・デザイン・通気性など様々な観点で商品を選べるので、職場環境に応じて最適な商品を探してみてはいかがでしょうか。
