毎日同じ服を着ることがおしゃれ?

流行やトレンドというのは年単位、もしくは月単位でどんどん変わっていくものです。

特に「ファッション」は流行の移り変わりがとてつもなく顕著な世界で、
時に過去のスタイルを全否定するような服装が突然流行りだしたりするものです。
しかし今、まさにそのファッションの世界において、
一部の「とある勢力」にトレンドや文化を根本から席巻されようとしています。

とある勢力の彼らの名は「ミニマリスト」

日常生活においてのあらゆる「ムダ」を徹底的に排除し、
自分にとって本当に必要なモノ、大事なモノだけを持つことで、
大量消費社会と言われている現代の社会をもっと楽に、もっと豊かに暮らしたいと考えているようです。
車を買ったら維持費がかかるし、駐車場代も馬鹿にならない。家を買えば税金がかかるし、
郊外に家を買ってしまえば、毎日、満員電車の通勤で疲弊してしまう。
だったら、狭くてもいいから都内に住み、ベッド、パソコンなど必要最低限のモノだけを揃えて、
毎日を便利に、コンパクトに過ごせばいいのでは?
こういったミニマリストの思想は、現代社会の消費者の心理や、
時代の流れを如実に表しているのかもしれません。

当然ミニマリストは、ファッションにおいてもミニマルをここぞとばかりに極めまくっています。
1週間分の服、つまり7種類の服をひたすら着まわしていたり、
まったく同じデザインのシャツとパンツを何着も持ち、毎日同じ服を着ている人もいるようです。

昔は同じ服を毎日なんて着ていたら

「アイツ服洗ってないんじゃね」
「服買うお金ないのかな・・・」

なんて言われそうなものですが、今は同じ服を着ることが「おしゃれ」とか、「カッコイイ」とか、
果ては「カリスマ」なんていわれたりするそうです。

毎日同じ服を着ることがカリスマだなんて・・・ファッションに疎い私でも、ちょっと違和感があります。

でも、それにはちゃんとした理由がありました。
ミニマリストの原点を探っていくと、とある方達に行き着いたのです。

そのとある方達とは、Appleのスティーブ・ジョブズやWindowsのビル・ゲイツ、
Facebookのマーク・ザッカーバーグといった、IT業界で大成功を収めた経営者達です。

「決断する回数を徹底的に減らす」ということ

出典 ja.wikipedia.org

黒いタートルネックにジーンズ、靴はニューバランスのスニーカーといえば、誰を想像しますか?

恐らくほとんどの人が、「スティーブ・ジョブズ」だ。と言うでしょう。
とてつもなくシンプルなファッションにも関わらず、もはやアイデンティティの一つとなり、
ジョブズを象徴しているものと言えますよね。

他にも、マーク・ザッカーバーグはグレーのTシャツに黒のパーカーとジーンズがお決まりですし、
かのビル・ゲイツは同じシャツを30着持ってるというのです。

なぜ彼らはここまで極端に服のレパートリーが少ないのか。
それは、「決断する回数を極力無くし、
仕組みにできる部分はとことん仕組み化する」
という考えに基づいているというのです。

彼らのような、とてつもなく大きな組織のトップにいる人間は、常に多くの決断を迫られているはずです。
その中で、「今日はどんな服を着よう」というのは、彼らにとっては時間の無駄でしかなく、
余計な決断が1つ増えてしまうということなのでしょう。
彼らには、今日着る服よりも、今日食べるご飯よりも、
決めなきゃいけないことが山のようにあるのでしょうから。

たしかに、意思決定にはそれなりのエネルギーを使います。
「今日のデート何着ていこう?」、「今日の夜ご飯何食べよう?」と悩んでいると、
気づけば30分以上経ってしまった!という経験がある方も多いのではないでしょうか?

成功者達は「人生のユニフォーム」を着続けている?

ただ、「同じ服を着続けている成功者」達の生き方を調べていくうちに、
単に「決断の回数を減らす」という理由だけではないような気がしてきたのです。

スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグだけでなく、
アメリカ合衆国前大統領のバラク・オバマも、同じ色のスーツを着続けていたことで有名です。

彼らの画像や映像を見ると、「ジョブズといえばこの服装だよね」、
「オバマといえばこのスーツだ」という、顔や声だけでなく、
服装も含めて「あっ、この人だ」ということを直感で認識できるのです。

人間はその人物の顔の形や声、仕草を見て、その人物が誰か?を判断、認識します。
とある人物がまったく同じ服を毎日着ていれば、顔や声だけでなく、服装もひっくるめて、
「このファッションといえば○○さんだ」という判断をするはず。

これはあくまで私の推測ですが、
彼らは自分の着る服を「人生のユニフォーム」という位置づけにすることで、
自分の存在をより定着化、象徴としているのかもしれません。

同じ服を着続けることのメリット

では、実際に毎日同じ服を着続けるとどんな良いことがあるのでしょうか?
都合よく、毎日同じ服装で仕事をしているという知人がいたので、彼にメリットを聞いてみました。

1.朝の時間に余裕ができる

彼の職場はオフィスカジュアル、つまり私服で仕事をしているのですが、
入社当初は、毎朝着る服を選ぶのに5分以上かけていたというのです。

「この柄のシャツにはこの色のパンツは合わないから、こっちかな・・・
でもそうするとこの靴との相性が悪いんだよな・・・」
と、今思えば本当にどうでもよすぎることに朝の貴重な時間を奪われていた。というのです。

たしかに朝の時間って、めちゃめちゃ大事ですよね。
その忙しい朝に、服を選ぶという決断をしなくてもよくなったことは、
シンプルに時間の節約に繋がっているとのことです。

2.部屋が広くなる

私は彼の家に何度か遊びにいったことがあるのですが、
私の家とほぼ同じ間取りの部屋にも関わらず、2畳くらい部屋が広く感じます。

それもそのはず。彼は本当に服を3~4着くらいしかもっていないので、
クローゼットには服以外の荷物をがっつり収納しているのです。
部屋に余裕があると、心にも余裕が出た気がすると言っていました。

3.服が自分の象徴になった

お、これは先ほどの、「成功者たちは人生のユニフォームを着ている」という話と
似ているかもしれませんね。

彼曰く、最初は友達から「服ちゃんと洗ってるの?笑」なんてことも言われたことがあったみたいですが、
次第に「その服、似合ってるよね」なんて言われ出し、
気づけば、服が自分を定義付けているものと実感するようになったと言っていました。

彼は白いYシャツに黒のスキニーという、
まさにノームコアスタイルの王道、シンプルの極みという格好をしているのですが、
たしかに僕から見てもすごく似合ってると思いますし、
これは毎日着続けているからこそなのかもしれません。

4.余計なモノを買わなくなった。

毎日同じ服を着るということは、余計な服を買わなくなったということ。
そしてこの考えが、服だけでなく、あらゆるモノを買う時にも適用されたと彼は言います。

モノや情報に溢れ、欲しいモノはインターネットですぐに手に入ってしまう現代社会だからこそ、
自分が本当に欲しいモノを見極める必要があるのは確か。
なるほど、耳が痛い・・・。

どうやら、毎日同じ服を着ることのメリットは大きいようです。

しいてデメリットを挙げるとするならば、「雨の日が続くと真剣に死活問題」ということ。
たしかに、服が少ないのにいつまでたっても乾かせないと、着る服ないですからね・・・。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、成功している経営者達が毎日同じ服を着ている理由、
同じ服を着続けるメリットをご紹介しました。
もちろん、いろんな服を着回したい!派手な格好したい!という方には、
なかなか理解できない世界かもしれません。

しかし、ファッションよりも優先順位が高いものがたくさんあり、
仕事や趣味等でやりたいことが満ち溢れていて、なるべく時間を有効に使いたい!という人や、
常にアイディアを広げ、クリエイティブなことに時間を使っている人は、
一度同じ服を着続ける習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
思いもよらないメリットを実感できるかもしれませんよ。