「洗った作業服がまだベトベトしている…」、「油臭さが落ちない」、
旦那さんの作業服を洗う主婦のみなさんは日々大変な思いをしています。

今回はそんなお悩みを解決する、正しい作業服の洗い方を伝授いたします!
作業服につく汚れの種類、それに応じた最適の道具や洗剤も紹介していますので、
是非参考にしてみてください。

作業服の汚れは種類を見極めて洗うべし!

作業服を着る仕事はいくつもあり、仕事の数だけいろいろな汚れがあります。
土木作業や農作業なら泥汚れや草の汚れ、工場や飲食店なら油汚れなど、
泥と油では全く性質の違うものです。
当然同じ洗い方では駄目ですし、
それぞれの汚れにあった「正解の洗剤」を使わなければいくら洗っても落ちません。

ゴシゴシ洗う回数が増えればそれだけ生地も傷んでいくので、
作業服を長持ちさせるためにも汚れの落とし方を学びましょう!

汚れの種類は4種類

汚れには大きく分けて4つの種類があります。

水溶性の汚れ 汗・塩・醤油・果汁・肉汁など
油溶性の汚れ 皮脂・食用油・口紅・ファンデーションなど
不溶性の汚れ 土・ほこり・すすなど
色素 インク・植物の汁・変色した汗ジミなど

職業によってはどの汚れも作業服につく可能性がありますが、
今回は代表的な「泥汚れ」・「油汚れ」・「草汚れ」をピックアップしてみましょう。

泥汚れはこう落とす

作業服_汚れ_汚れた服 

泥汚れは土ですので、既に説明した通り不溶性の汚れに入ります。
読んで字のごとく『溶けない汚れ』なので実は洗剤の洗浄力はあまり関係ありません。
「えー!じゃあ泥汚れは落とせないの?」という悲鳴が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。

土というのは小さな砂が集合したもので、
泥汚れはその小さな砂の粒が衣類の繊維に入り込んでいる状態です。
衣類は強度を上げるために繊維をねじっていますから、
ねじれた繊維に一度入り込んだ砂の粒はなかなか出てこない、というのが泥汚れが落ちにくい理由です。
つまり、泥汚れを落とすには水に溶かしたり洗剤で浮かせたりするのではなく
物理的にかき出すのです。

小さな砂をかき出すのに一番いいのは、
100円ショップでも買うことができる洗濯ブラシです。
泥汚れは乾かすとある程度ポロポロと落ちますので、
軽く叩いたら、残った砂を洗濯ブラシでかき出してください。
これだけで驚くほど汚れが落ちます。

次に、お風呂場の床などで水に濡らしながら予洗いしましょう。
先ほどのブラシはここでも使うのですが、このタイミングでやっと洗剤の登場です。
洗剤といっても、泥汚れには固形石鹸がいいと言われています。

手洗い用ではなく洗濯用の固形石鹸を汚れている部分に直塗りして、ブラシでゴシゴシと擦りましょう。
あとは軽く水ですすいで、洗濯機で普通に洗えば今まで落ちなかった泥汚れが嘘のように綺麗になります。

一番汚れが落ちると主婦の間で人気の固形石鹸が『ウタマロせっけん』『ブルースティック』です。
ロングセラーのウタマロせっけんはドラッグストアで簡単に手に入り、
お値段も100円~200円とお手頃です。

ブルースティックは横須賀の店舗でしか販売されておらず若干入手困難ですが、
今はネットで買うこともできます。
ウタマロ石鹸に比べると少し値段はしますが、
ほんの少量で汚れが落ちるとあってコスパは抜群だと言えます。
長く使うのなら試してみる価値はあるでしょう。

【参考記事】これだけで全然違う!作業着の洗濯もサクッと時短▽

油汚れはこう落とす

油汚れは油が固まっている状態ですので、お湯で融かすことが重要です。

まず下準備として、バケツに40℃~60℃のお湯を用意します。
油には個体が液体になる『融点』という温度があり、
動物油は約40度、植物油は約60度、機械油は約50度とされています。
汚れの種類が分からない場合は60℃で用意しておくと間違いないでしょう。

お湯が用意できたら洗剤を入れます。油汚れは酸性のため、
アルカリ性の洗剤を使って汚れを分解する必要があります。
市販されている作業着用洗剤にもアルカリ性の成分が入っているのでそれでもいいのですが、
もっと落ちると評判なのが『セスキ炭酸ソーダ』です。
これは、よく掃除に使われる重曹よりもさらにアルカリ性が強い白い粉で、油を落とすのには最適です。
洗浄力が高いのに人体にも無害で、環境にも優しい無機物なのです。

お湯にセスキ炭酸ソーダを溶かしたら、作業着を浸けおきしましょう。
汚れがひどい場合は2時間ほど浸けると水が真っ黒に濁ってきます。
そして、軽くすすいで洗濯機にうつしますが、
洗濯機でも40℃以上のお湯を使うと汚れがスッキリと落ちます。

また、ここで使う洗剤は40℃以上のお湯で洗ったときに強い威力を発揮する
『高温タイプ』の石鹸がおすすめです。
通常の洗剤よりも格段に汚れ落ちます。
紹介したセスキ炭酸ソーダはドラッグストアや100円ショップで、
高温タイプの石鹸はネットショップなどで入手可能です。

【参考記事】もっと詳しく油汚れについて知りたい方はこちら▽

草汚れはこう落とす

緑色の草の汁がついてしまう草汚れ。
草汚れは厄介なことに水溶性・油溶性・色素の汚れが混ざり合っています。

そのような場合は、どのように落とすのかというと、
まず油溶性の汚れを落とし、次に水溶性の汚れを落とします
水と油が混ざり合わないのを思い出してもらうと分かりやすいように、油汚れは水で洗っても落ちません。

油汚れを簡単に落とすときに使えるアイテムが、なんとクレンジングオイルです。
油同士なら簡単に溶け出すというわけですね。
女性なら化粧落とし用に一つは持っているでしょうから、
わざわざ強力な洗剤を買いに行く手間も省けます。

クレンジングオイルで油分を溶かしたらお湯で洗い流し、
まだ薄く汚れが残っている場合には液体酸素系漂白剤を使用しましょう。
古い汚れでなければこの方法で大抵は落ちますが、落ちないときはオイルをベンジンに変えてみましょう。
クレンジングオイルと液体酸素系漂白剤はスーパーで、ベンジンはドラッグストアで購入できます。

用途を絞った洗剤が効果抜群

ここまで主に、市販の液体洗剤以外で落とす方法を紹介してきましたが、
液体洗剤でももちろん有効なものはあります。
しかし、ふだん着用の洗剤では効果が弱いです。
作業服には作業服用洗剤、その中でも『泥汚れ専用』や『油汚れ専用』というような
一つの汚れに特化して開発された洗剤がおすすめです。

既に、汚れによって落とし方が違うということは覚えていただけたかと思います。
普通の洗剤では落ちない泥汚れも、砂を分解する成分が入った泥汚れ専用洗剤なら落とすことができます。

さらに、臭いの元まで洗浄してくれる洗剤などもあります。作業着は汚れがひどく、
普段着と一緒には洗濯できませんので、洗剤も別で用意しておくのが賢いでしょう。

作業服を早く乾かす方法

作業着は安全のために厚手にできていたり、
上下つながった「つなぎ」タイプだったりと乾かすのも一苦労ですよね。
せっかく綺麗に洗えても仕事までに乾かなかったら意味がありません。
最後に、早く乾かす方法もマスターしておきましょう!

早く乾かすポイントはなるべくカラカラになるまで脱水することです。

始めから脱水時間を長く設定しておいてもいいのですが、シワになりやすいため、
できれば途中で一旦取り出して軽くたたみましょう。
それからもう一度脱水をかければクシャクシャにならずに干しやすいです。

干すときはポケットまで乾きやすいように裏返して、両袖に物干し竿を通して干してください。
物干し竿がない場合は、肩幅を調整できるハンガーをできるだけ大きく広げ、代用しましょう。
脇の下が乾きにくいので普通のハンガーはおすすめしません。
また、ボタンやファスナーは全て開けて風通しよくしておきましょう。

 

作業服の汚れを諦めない!

いかがでしたか?
泥汚れや油汚れの正しい洗い方と洗剤の選び方が分かって、
今すぐ試してみたくなったのではないでしょうか。

洗濯は毎日のことで嫌になる日もありますが、ひどい汚れが綺麗さっぱり落ちるのをみると、
とても気持ちのよいものです。
ご主人も清潔な作業服で働けば、より一層仕事に身が入ることでしょう。
「洗っても洗っても落ちない…」と諦めていた作業服の汚れも、正しく洗えば必ず綺麗になります。

毎日手洗いは難しくても、月に一度くらいはリセットのつもりで洗ってみてはいかがでしょうか。

【参考記事】気分もリフレッシュ!作業着の丸洗い方法はこちら▽