あなたはコックコートを着たことがありますか?

このページをご覧いただいている方の中には、
「調理の専門学校に通うことになった」
「近々飲食店のバイトで着ることになった」という方が多いのではないでしょうか。

このページはそういったコックコート初心者のみなさんはもちろん、
「専門学生の頃着ていたけど就職先でも引き続き着る予定」という予備知識のある方にも
おすすめのページです。

コックコートの基礎知識から、
ちょっとした豆知識洗濯の仕方までトータルでコックコートの着方をご説明します。

コックコートの構造



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素材は綿100%

最近では色々な素材のコックコートが販売されていますが、かつては綿100%のものが基本でした。

コックコートはその名の通り料理人が着るための服ですので、
厨房で火が燃え移らないように燃えにくい素材が採用されたのです。
また、綿は吸水性も高いので暑い厨房で汗をかいても吸い取ってくれます。

ボタンは布製

コックコートで特徴的なのが、あの紐を丸めたようなボタンですよね。
一見デザインをよくするためについている飾りのように思えますが、ボタンが布製の理由は2つあります。

1つ目は万が一火が燃え移ったり、
熱湯がかかったりしても強く引っ張ると一気に脱げるようになっているのです。
球体のボタンなのでボタン穴からスルッと外れます。
2つ目はボタンが外れて異物混入になるのを防ぐためです。
また、布製のボタンは生地に縫い付けているため、非常にほつれにくい構造となっています。
結果的にボタンが取れにくく、誤って料理の中に落とす心配がありません。

二枚重ねの前身頃

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コックコートを着る機会がない人は意外と知らないのですが、
コックコートの前身頃は二重になっています。これにも理由が2つあります。

1つ目は熱から身を守るためです。
厨房では、家庭で使わないような大きな鍋などを持つことが度々ありますが、
鍋が重いうえに熱いとなると運ぶのも一苦労ですよね。
そんな時お腹や胸で支えて持っても熱さを感じないように厚みをもたせています。
鍋を運ぶ以外にも、多少の油や熱湯がかかっても熱くありません。

2つ目は、コックコートが汚れた時、
まるごと着替えなくても綺麗な見た目を保てるように
、という理由です。
新人のコックではなくオーナーシェフともなると、
ずっと厨房で調理をしているだけでなくお客様の前に出ることがあります。
汚れたコックコートで客席に出ていくと不潔な印象を与えてしまいます。
かといってお客様の前に出るたびにいちいち着替えていては大変な手間です。
そんな時にコックコートの前身頃の重なっている部分の上下を入れ替えると
簡単に綺麗な見た目を取り戻せます

シェフは見た目の清潔さも求められているのです。

【参考記事】コックコートを着るならまずは歴史をチェックしないと始まらない!▽

長めの袖

コックコートはジャストサイズを着ても袖が長めになるようにできています。
それは何故かと言うと、鍋掴み代わりに使えるようにするためです。

飲食店経験者なら分かると思いますが、「厨房は戦場」と言われるほどとても忙しい場所です。
作業は時間との戦いですので、わざわざ鍋掴みを用意して誰かが使っていて、
次の人が使えないことがあってはならないので、
熱いものでもすぐに運べるようにコックコート自体に鍋掴みの機能が取り入れられています。
普段は調理の邪魔になるので、袖は折り返して着用する方がよいでしょう。

【参考記事】おしゃれなコックさんを目指すなら必読!

 

コックコートの着こなし豆知識!

コックコートの下にはシャツを着ない?

上でお話してきた通り、コックコートは火に強い綿100%で二重の前身頃、というのが本来の形でした。
どちらも火が燃え移らないように、との配慮から考えられたものです。

しかし、コックコートの中に火に弱い素材のシャツなどを着ていると結局簡単に燃え移ってしまいます。
ですから、もともとは素肌に着ることが推奨されていたようです。
しかし、実際に肌着なしで直に着ると落ちつかないという理由から実践している人は少ないです。

最近はコックコートのデザインのみを取り入れた『コックシャツ』というのもあります。
こちらは火や油を多用する厨房ではなく、製菓関係の厨房や接客用として採用されています。
見た目はコックコートですが、素材は薄く通気性のよいシャツですので素肌には着ない方がよいでしょう。
特に女性は下着が透けてしまうこともあるので、半袖のシャツなどを一枚着ることをおすすめします。

袖を伸ばしたコックコートが料理人の正装

あなたは料理人の正装を知っていますか?
あまり気にされない部分ですが、調理中は折り返しているコックコートの袖を、
折らずに伸ばして着るのが正装
とされています。

よくある一流シェフのメディア取材の写真は大抵かっこよく袖をまくり上げて腕組みをしていますが、
あれはプロ感やおしゃれ感を出す演出であり正装ではありません。
考えてみると当然なのですが、袖まくりというのは着崩した状態です。
コンクールの授賞式など、ここぞという場面では袖を伸ばしてビシッと決めてみましょう。
分かる人には分かる「一流の料理人」を演出できるでしょう。

コックコートを着こなしポイント4つ!

厨房では全員がコックコートを着ているけれど、
「どうにか差をつけてかっこよく着たいなぁ…」と思ったことはありませんか?
実は最近ではコックコートのバリエーションは選べないほどたくさんあるのです。
かっこいいコックコート選びのポイントを4つご紹介しますので参考にしてみてください。

1.男女兼用か女性用かを選ぶ

コックコートは基本的に男女兼用ですので男性用というものはありませんが、
「もっと女性らしく着たい!」という女性料理人のために女性用のコックコートが存在します。
ウエストをしぼって体の線を強調して、
前面にくびれたような二本のラインを入れることでほっそりとしたシルエットに見せてくれるなど、
女性に嬉しいデザインとなっています。

2.色や柄を変えてみる



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コックコートと言えば白一色がベーシックですが、
ユニフォームショップを覗いてみるとカラーバリエーションは無限大です。
クールな印象の黒や、カジュアルな雰囲気の柄物もあります。
スタイリッシュに決めるならフランスやイタリアのブランドがおすすめです。

3.ネーム刺繍を工夫しよう

「色や柄で遊びたいけど、職場では白しか着られない」「新人のうちは目立ち過ぎないものがいい」
そんな人にはネームの刺繍がよいでしょう。
規定の制服でも胸の部分に小さく名前を入れるだけなら許される場合があります。
たかがネーム刺繍と言ってもフォントや色で個性を出せるので
自分だけのお気に入りのコックコートを作ることが可能です。

4.エプロンの結び方は一文字結び


コックコートを着るうえで欠かせないのがエプロンです。
いくらおしゃれなコックコートを着ていてもエプロンの紐がプラプラしていては
素人だとバレてしまいます。
厨房では基本的に『一文字結び』でエプロン紐を結びましょう。
リボン結びだと余った紐が周囲のものに引っ掛かり危険だからです。
結び方の手順が分かる動画などもネット上で公開されていますので、
分からない人は勉強しておきましょう。

 

コックコートの洗濯の仕方は?

洗濯物 洗剤

 

コックコートをいつまでもかっこよく着たいなら、清潔さをキープすることが重要です。
ということで、普通に洗ってもなかなか落ちないコックコートの汚れの落とし方をご紹介します。
注意点として、コックコートの洗濯には時間がかかるので、
毎日着る人はローテーションで着られるように2着用意しましょう。

70℃前後の熱湯をバケツに用意

作業着用洗剤と粉末の酸素系漂白剤を溶かしてコックコートを一晩つけ置き

朝、再度熱湯を足し手を浸けられる程度の熱さのお湯で軽く洗う

汚れが酷い箇所には洗濯用固形石鹸を泡立ててさらに揉み洗い

洗濯機に移して作業着用洗剤を入れ、1度目のすすぎまで40℃~50℃のお湯で洗う

以上のような手順で洗えば頑固な油汚れも落とすことができるでしょう。
何か月かに1度鍋で煮洗いすると、蓄積した汚れもリセットすることができます。

基本をふまえて自分好みのコックコートを選ぼう

ユニフォームショップには色々な特徴を持ったコックコートが揃っています。
コックコートの基本が分かったら、
あとは自分にあった性能を備えた商品を選ぶとより快適に仕事ができるでしょう。

【例えばこんなもの】
・ストレッチ素材
・半袖や七分袖
・通気性がよく涼しい
・汚れが落ちやすい
・肌触りがよい など

コックコートは料理人にもお客様にも優しいアイテム!

コックコートがどんな役割を果たしているか、どう着るのが正しく、どう着るのがかっこいいか、
など紹介してきましたが参考になりましたでしょうか?
コックコートは料理人にとって便利なだけでなく、
お客様に対する気遣い
ができるよう緻密に考えられた制服だったのですね。

あなたがまだコックコートを着始めたばかりの新人コックであれば、
『コック』と『シェフ』の違いを知らないかもしれません。
コックというのは料理人全てを指す言葉ですが、
シェフというのはチーフから生まれた言葉で最高責任者のことです。
つまり、お店にたった一人のコック長だけがシェフと呼ばれるのです。

料理の勉強だけでなく、毎日着るコックコートに愛着を持ち大事に扱うことで、
あなたもいつかは『自分のお店を持つシェフ』になれることでしょう。

【参考記事】人気のコックコートはこちら▽