鳶職の作業着と聞いて、ニッカポッカが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
特徴的な形をしていますが、あの形にどんな効果があるのかまではご存じない方が多いと思います。
そして、そのニッカポッカを作業着として着用する方が減ってきているということはご存知ですか。
ニッカポッカが減ってきている理由や、現在その代わりに何を着用しているのかについても、おすすめ商品とともにご紹介させていただきます。
このページの目次
ニッカポッカとは?
ニッカポッカは英語では Knickerbockers と表記され、このニッカーボッカーズを略し、日本ではニッカポッカと呼ばれています。
裾が邪魔にならないため、スポーツウェアや軍服として使われていましたが、その後鳶職の作業着に適していることから定着したとされています。
基本的にはひざ下まで丈があるゆったりとしたズボンのことを言い、裾の部分を足袋の中に入れて着用します。
ニッカポッカは男女兼用のものが多いですが、女性の鳶職人用にレディースのニッカポッカも販売されています。
ニッカポッカを履く理由
何故ニッカポッカが鳶職の作業着に適していたのか。それは作業環境に合っていたからです。
まずは高所での作業。
ニッカポッカの股下部分はダボっとしていて横幅がありますが、これがバランサーとしての役割を果たしています。
また、風になびくことで、風の強さを見極めることもできます。
高所での作業は危険と隣り合わせで、転落のリスクも伴いますので、ニッカポッカが高所作業での安全管理に役立っているというわけです。
次は機能性。
作業時に大きく足を開いたり膝を曲げたりするため、足の可動域に制限があるような作業着では、作業効率が悪くなるだけではなく、足場が悪い環境下では転倒したり怪我のリスクも高まります。
そのため足がスムーズに動くことが重要です。
ニッカポッカは肌に密着していないので、障害物の多い現場で建材に引っかかってしまったりしても、ダメージを和らげる役割も果たしています。
ニッカポッカを履く人が減っている理由
ニッカポッカは鳶職の作業着の定番とされてきましたが、近年少しずつその様子が変わってきています。
というのも、大手ゼネコンなどがニッカポッカの着用を禁止するなど、着用人口は減り続けています。
その理由としては、まずニッカポッカを着用している人の印象として、怖い・ガラが悪いというネガティブなイメージが強くあったことです。
その払拭のために、ニッカポッカの着用を禁止する企業が増えたという流れがあるようです。
また、ダボッとした裾に様々な機能が備わっていることを前述しましたが、この広い裾が障害物に引っかかることで、逆に転倒リスクが高まるということも言われています。
そのため、最近ではニッカポッカではなく、平ズボンを着用するのが一般的になってきています。
ニッカポッカに代わり選ばれている作業着
それでは、鳶職の作業着として現在人気のあるものを実際見ていきましょう。
現代版ニッカポッカ ニッカーズカーゴパンツ
ニッカーズはニッカーボッカーズの略語です。ニッカポッカの要素を含んだカーゴパンツで、新しいタイプのニッカポッカとして人気のパンツです。
ストレッチ性に優れたデニム素材で、見た目もスタイリッシュでおしゃれなので、通勤時にも着用できます。
フルハーネス対応で耐久性もあるため、作業着として安心して着用いただけます。
定番のシンプルなカーゴパンツ
普段着としても着用できるヴィンテージテイストのデザインがかっこいいカーゴパンツです。
綿100%なので、火を使う作業現場での着用にもおすすめです。
また、防縮性にも優れているので、洗濯や風雨・湿気によって生じる収縮を緩和させることができます。
細身のシルエットで見た目はとてもスタイリッシュですが、抜群のストレッチ性で動きやすのが特徴です。
身体にフィットして伸縮してくれるの生地なので着心地もよく、ストレッチサテン素材で光沢感があるため、上品に着こなせます。
こちらはバートルのストレッチツイルカーゴパンツです。
半永久的に伸びるとされている伸長率17%のスーパーストレッチ素材を使用しているため、自由自在に足を動かすことができ、機能性に優れています。
また、引火性の蒸気や粉じんが充満している場所では、静電気の火花が点火源になってしまうこともあるので、制電効果が備わっているのも安心して着用できるポイントです。
鳶職の作業着はニッカポッカから平ズボンへ
鳶職の作業着として定番だったニッカポッカは、時代の流れとともに平ズボンへと変わってきています。
平ズボンも作業服としての機能がどんどん進化してきているため、作業時に不便を感じることもなく、快適に着用できるものが増えています。
また、見た目もスタイリッシュで私服としても着用できるくらいお洒落で自然なものも増えているので、好みのものを新しく探してみるのも楽しいのではないでしょうか。