撥水機能のある服や作業着など基本的には洗わないものの、やはり長く使用していると臭いがついたりするので、お手入れしたいという気持ちがわいてくるものです。
実際、撥水加工されていても、洗ったりなどお手入れすることは可能ですので、今回はその方法について詳細に解説していきます。
撥水加工とは
最初に確認しなければならないのは、あなたがお手入れしようとしている服が撥水加工されているのか、それとも防水加工されているのかが重要です。
まず撥水加工ではなく、防水加工から説明していきます。防水加工は、服の上に水をはじくコーティングが状態のことをいいます。
薄い膜のようなものでコーティングするので、通気性などはありませんが、その分しっかりと防水できるという効果があります。
そして本題の撥水加工についてですが、撥水加工の場合は衣服の上に撥水基と呼ばれる、細かい突起物を作ることで、水をはじくという機能のことです。
原理としては、水の粒子よりも、さらに細かい粒子を衣服の上に加工することで、水滴が衣服の中に入り込めなくしています。
完全に衣服をコーティングしているわけではないので、通気性などを保てる点がメリットです。
しかし、粒子を防ぐというやり方をしているので、長く水に付いている状態ですと撥水基が沈んでしまい、水分がしみ込んでしまいます。
このように防水加工と撥水加工は大きく違いますので、お手入れの方法も変わってきます。
ご自身がメンテナンスしようとしている服が撥水加工なのか、それとも防水加工なのかを事前に確認するようにしてください。
撥水加工された服のお手入れ方法
それでは、いよいよ本題です。
撥水加工された服をお手入れする方法について解説していきます。
まずは汚れを取る
いきなり洗濯をする前に汚れを取る作業から始めましょう。
水がついたまま放置してしまうと、白カビができてしまうことがあります。
白カビを落とす方法はアルコールです。
アルコール濃度が70度以上の除菌スプレーを利用した後、ティッシュで優しく拭き取ることで白カビの除去が完成します。
次に黒カビがついていた場合ですが、塩素系の漂白剤で除去することをお勧めします。
漂白剤は皆さんもご利用されたことがあると思いますが、40度程度のお湯に浸し漂白剤を適量入れます。
黒カビが生えてしまっている箇所は、直接漂白剤を塗りましょう。
あとは漂白剤の指示に従ってメンテナンスを完了させてください。
洗濯表示を確認
それでも汚れが落ちなかった場合については、やはり洗濯をするしかありません。
アルコールで拭いただけでは、ニオイまでも除去することができないので、全体的にしっかり洗う必要があるのですが、衣服によって、どのような生地で作られているか違いますので、お手入れの方法も変わってきます。
そこで、まずは洗濯表示を確認するようにしましょう。
洗濯表示には様々な表示がありますが、特に確認するべきは洗濯機がOKかどうかです。
洗濯機がOKでない場合は手洗いが大丈夫かどうかの確認。
そして乾燥機にも対応しているかを確認することが重要です。
洗剤で洗う
洗濯表示を確認したら、次は洗剤で洗っていきましょう。
洗うときは中性洗剤で洗うことをお勧めします。
中性洗剤とは、漂白剤や柔軟剤、蛍光増白剤が含まれていないような洗剤のことです。
余計な要素で生地を傷つけてしまってはいけませんので、中性洗剤で洗うことをお勧めします。
次はあなたのお手入れしたい服が手洗いか、洗濯機なのかで変わってきます。
洗濯機がダメな場合は手洗いをしましょう。
手で洗うのは非常に面倒な作業ではありますが、撥水加工の機能を維持するためには仕方がありません。
激しく手で擦り合わせるのではなく、押し洗いで手洗いするようにしてください。
洗濯機がOKな場合でも、やはり通常のコースで洗濯をしてはいけません。
なるべく優しく洗ってくれるドライコースなどを選びましょう。
専用のコースがない場合でも、なるべく優しく洗う機能が付いていれば、それを選択するようにしてください。
乾燥する
洗濯が終わったらいよいよ乾燥です。
乾燥機がOKの表示がされているのであれば、乾燥機で乾燥させてしまいましょう。
理由としては、乾燥機は熱が加わるため、撥水機能が復活しやすくなるためです。詳しくは後ほど解説します。
乾燥機がダメな場合は、なるべく日陰干しをするようにしましょう。
日陰干しは乾きにくいので、ためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、直接日光に当たると色落ちなどをしてしまう場合もあります。
撥水機能を復活させる
乾燥させた後は、撥水機能を復活させましょう。
撥水機能が付いていてもアイロンOKなものもありますので、そういった場合はアイロン掛けをしても良いですし、乾燥機NGな場合でもドライヤーをあてるという方法があります。
どうして熱風を当てると、撥水機能が復活するかというと、熱によって再び繊維が立つという現象が起こるからです。
そのため先程、乾燥機OKでしたら、乾燥機を利用しましょうというようにお伝えいたしました。
以上が撥水機能のある服のメンテナンス方法についてのご紹介でした。非常に繊細な確認が要求されることが多いですが、慣れてしまえばそうでもありません。
皆さんの衣服の洗濯表示をきちんと確認して、適切なお手入れをするようにしましょう。