医療従事者は白衣を着用するべきというのは、今でも主流の考えです。
しかし、患者さんの心理的な影響を考えると、
昔のままの白衣を着用し続けるべきか、と疑問を覚える人もいるでしょう。
医療従事者だからこそ考えてほしい、白衣のカラーコーディネートについて説明します。

白衣着用時のコーディネートを考えることは必要か?

責任ある立場だからこそ身だしなみが大切

医療の現場は忙しいため、身だしなみにこだわっている人は少ないはずです。
シワの目立つ白衣を着回したり、襟口がよれた術衣を着ていたりするでしょう。
しかし、こうした身だしなみに気を使わないと、患者さんからの信頼を失ってしまう恐れがあります。

白衣着用時もコーディネートを意識した方がいい理由

統計では、患者さんの約3割は、医師の身だしなみを気にしているというデータがあります。
患者さんは自分の怪我や病気に意識が行っていると思いがちですが、
実際には医師のことをしっかりとチェックしていたのです。
ここで考えてみてほしいのですが、患者さん側からみて、
身だしなみの悪い医師から診察を受けたいと思うでしょうか?答えはNOです。
格好がだらしない医師だと、診察や治療も適当に行われそうだと考えるはずです。
さらに、こうしたマイナスイメージは医師1人の問題にとどまらず、
医療機関全体の印象も悪化させる可能性があります。
クリニックの経営状態を悪くする結果となるため、
たかが身だしなみと軽く考えてはならないのです。
白衣の下のコーディネートに清潔感があれば、それだけでも相手から好印象がもたれやすくなります。
特に美容医療関係者は、白衣のコーディネートをすることで治療の説得力をアップさせてくれるでしょう。

患者さんからの信用を得るために

「医者がチャラチャラとおしゃれを楽しむのはおかしいのでは?」と考える人もいるでしょう。
ですが、白衣のコーディネートとはなにも流行の服を追いかけたり、
アクセサリーを身につけたりするわけではありません。
白衣をコーディネートするということは、
患者さんがこちらを見て不快感を覚えないようにするということです。

清潔感があり、それでいておしゃれに白衣を着こなせば、
患者さんからも知的で頼りがいのある医者だというイメージが得られます。
クリニックでの治療は、患者さんが医師を信頼して初めて成り立つものです。
患者さんから信頼してもらうためにも、こうしたコーディネートは重要な意味を持つのです。

医療関係者なら知っておきたい”色”の効果

患者さんの負担軽減を第一に考える

白衣のコーディネートをする上で重要となるのが、「色彩心理学」による影響です。
色は人の心理状態に大きな影響を与えます。
特に怪我や病気で肉体だけでなく、精神的にも弱っている患者さんですと、
こうした色への心理的影響も強くなりやすいのです。
こうしたことから、医療関係者におすすめできるカラーコーディネートは、
患者さんに落ち着きや安心感を与える色でしょう。

医療関係者におすすめの色

医療関係者がコーディネートに取り入れるべき色は、茶系統・青系統・緑系統の色です。
色彩心理学の観点から、これらの色は患者さんの不安を取り除き、安心感を与える作用があるのです。

茶系統

茶系統のカラーとは、茶色・ベージュなどの色です。
これらの色は、患者さんの緊張を緩和し、安心感や信頼感を与えてくれます。

青系統

青系統のカラーは、青色や紺、ネイビーなどです。
これらの色は患者さんに安らぎを与え、精神的に落ち着かせる効果があります。
また、紺やネイビーは医療現場で最も選ばれているカラーだといわれています。
医療ドラマで、この色のスクラブが着用されていたことから人気に火がつき、
さらに色が持つ上品さや清潔さなどのイメージから、多くの医師に好まれているのです。

緑系統

緑系統のカラーは、手術衣によく用いられているため、外科医であれば馴染みのある色です。
緑は情緒の安定や癒しなどを与えてくれる色です。患者さんにリラックス効果を与えてくれます。
ペパーミントやライトグリーンなどの明るい緑色であれば、
清潔感・爽やかさをアップさせることもできます。

淡いピンク色も人気

最近、白衣に好まれる色といえば、淡いピンク色もあげられます。
濃いピンク色やショッキングピンクは、若い女性が好む派手なカラーという印象があります。
しかし、薄いピンク色であれば、こうした派手な印象は与えられません。
逆に、患者さんに安心感や、心理的な温かみを与えることができるのです。
また、このカラーには疲労の緩和などの効果もあるため、
普段忙しく働く医療従事者にとってピッタリな色ともいえます女性看護師に好まれる色ですが、
淡い色であれば、男性でも着用することはできるでしょう。

医療関係者におすすめしない色

逆に医療関係者におすすめできない色は、赤・黄色・黒の3色です。
赤系統は、淡いピンクなどは良い影響を与えますが、明るい赤や濃い赤は悪い影響を与えかねません。
赤は攻撃性を煽る色であるため、患者さんの血圧の上げ、緊張感などを与える恐れがあります。
また、血液を連想させる色なので、病院で着用するのは不適切です。
黄色は、見る人を明るくしてくれるイメージです。
しかし、医療現場で着用すると、患者さんからの信頼感が得にくくなります。
派手なイメージがあり、着る人に軽薄さや幼さといったイメージがついてしまうのです。
最後に黒は、不潔な印象を与えると同時に、見る人の圧迫感を与えます。
また、喪服に使われる不吉な色でもあるため、医療現場での着用は避けるべきでしょう。

白衣の白は悪くはないが・・・

白衣の色といえば、くすみのない純白というイメージが強いはず。
清潔感があり、威厳を感じさせる色でもあるため、着用した医師に信頼感を与えてくれます。
しかし、こうした白衣の白は、逆に患者さんにプレッシャーを与えるというマイナスの効果もあります。
「白衣高血圧」という症状があります。
これは、病院が苦手な人や、何らかのトラウマを抱えている人が、白衣を見ると緊張し、
血圧が高くなってしまう症状です。
白衣は医療現場でのイメージカラーともいえます。
ですが、白衣高血圧のような問題が現れるとなると、
旧態依然とした白い白衣を医療現場で用いることに疑問を覚えてしまうでしょう。

コーディネートしだいで白い白衣も着られる

これまで日本の医療現場では、白衣がメインで着用されてきたため、
白以外の白衣を着用することに抵抗がある人も多いでしょう。
また、患者さんからしても、白以外の白衣に不信感を覚える人も多いはずです。
そこで、折衷案として白色をメインとしたコーディネートを行うことをおすすめします。
白色に近づけた薄いブルーやピンクの白衣を用いると良いでしょう。
また、白衣のインナーに白以外のカラーを用いるといったコーディネート方法も効果的です。

おすすめの白衣コーディネート

コーディネート方法

実際に白衣のカラーコーディネートは、どうやって行うべきでしょうか?
白衣の色が選択できる場合と、選択できない場合を想定し、
おすすめのコーディネート方法について解説します。

白衣の色の選択ができるなら

白衣の色が選択できるなら、薄いブルーやピンク、グリーンなどがおすすめです。
薄いブルーは信頼感や落ち着きを与えてくれるので、患者さんの心に安心感を与えられます。
薄いピンクは優しさや女性らしさを表します。特に女医さんや女性看護師などが着用すると良いでしょう。
薄いグリーンは、精神的な安らぎや清潔感をもたらしてくれます。
色の濃い白衣は患者さんからも敬遠されがちですが、薄い色なら派手さは抑えられ、
さらに白衣のような清潔感も得られるので、患者さんからも好まれやすい色となります。

白衣の色が白と決まっているなら

クリニックによっては、方針として白衣のカラーは白と決まっている場合もあります。
そういった場合は、白衣の下に着るインナーの色をコーディネートすると良いでしょう。
白衣の下にブルーやグリーンのスクラブを着用すれば、患者さんの緊張を和らげることができます。
レディースクリニックや美容医療なら、花柄のスクラブなどを着用することで、
女性の患者さんに好印象が持たれやすくなるでしょう。
スクラブ以外にも、シャツやネクタイのカラーをコーディネートすることもおすすめです。
外来の患者さんの診察をする場合、白衣による信頼感を与えつつ、
カラーによる安心感を与えることができるのです。
インナーでカラーコーディネートする場合、インナーが見えやすいシングルの白衣を選びましょう。
せっかくインナーのコーディネートをしても、
患者さんから見えにくいダブルの白衣では意味がありません。
ダブルの白衣を着用しているなら、シングルの白衣を購入し、
インナーのコーディネートを行うことをおすすめします。


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コーディネートを考えるのはおしゃれのためだけじゃない

白衣のコーディネートを考えるのは、ただ単におしゃれを楽しむためではありません。
患者さんからの信頼を得るため、さらに患者さんの心を落ち着かせるために、
コーディネートを行う必要があるのです。
現に、医療現場では白い白衣を着用する意義が感じられず、
「職業を示すだけのコスプレ」だと考える人も少なくありません。
「医師は白衣を着るもの」という固定概念を捨て、
患者さんのためにカラーコーディネートをするという時代に差しかかっているのかもしれません。