作業着の素材として、最もよく見かけるのがポリエステル製のものではないでしょうか。
ポリエステルの作業着にはメリットが多くある一方で、仕事内容によっては気をつけなければいけない場合もあります。
このページでは、火を扱う環境で着用する作業着について、注意点や選び方をご紹介させていただきます。
このページの目次
ポリエステルがNGの理由
火に弱い
ポリエステル繊維の原料は石油で、非常に燃えやすい素材となっています。
火がポリエステル100%の服につくと、すぐに燃え出して繊維が溶けていき、非常に高温になりますので、扱いには細心の注意が必要です。
そのため、火花が散る環境で働く溶接工や花火師などは、ポリエステルの作業着は避けるのが無難です。
仕事以外でも、キャンプで火を使ったりする場合も同様のことがいえます。
静電気が起きやすい
爆発物や危険物を扱う作業現場では、静電気が爆発や火災など大きな事故に繋がる可能性があります。
秋冬になると、衣服の静電気を感じる機会が多くなると思いますが、服の素材や組み合わせ次第で回避ができます。
ポリエステルはマイナスに帯電しやすい素材ですので、プラスに帯電しやすい素材と組み合わせると、強い静電気を発生させてしまいます。
強い静電気を発生させる組み合わせ例は下記です。
- ポリエステル×ナイロン
- ポリエステル×ウール
一方で同じマイナス側の素材を合わせると、静電気は発生しにくくなるので、ポリエステルは綿や麻とは相性が良いです。
また、最近は帯電防止作業服も多く販売されています。
作業着にポリエステル素材が使われているものが多い理由
ポリエステルは他の生地と比べて、圧倒的に耐久性に優れていることが、作業着としてよく使われる最も大きな理由です。
耐久性がある上にシワになりにくいので、洗濯などの手入れもしやすく、扱いやすい素材となっています。速乾性にも優れているため、梅雨時期の洗濯も安心です。
また、火には弱いですが熱には強く、アイロンや乾燥機の熱で縮んだり変形する心配がありません。
ですので、火を使わない現場での着用であれば、動きやすく機能性が優れている上に、安価で購入できるため、ポリエステル作業着はおすすめです。
火に強い素材
火を扱う現場で着用する作業着の素材としては、下記2点がおすすめです。
- 綿
- 難熱素材
綿(コットン)100%素材の服は、肌に優しいというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、吸汗性・通気性もいいため、季節問わず気持ちよく着用できる素材です。
ポリエステルのように火の粉がついたらすぐに穴が空いてしまうということもありません。
また、最近では難熱素材の作業着も増えていて、名前の通り火がついても燃えにくいという特徴がある素材のものです。
綿についてより詳しく知りたい方や、綿のおすすめ作業着を見たい方は、こちらの生地をご参考にしてみてください。
作業着を選ぶ際の注意点
火を扱う作業現場では、一歩間違うと大きな事故や怪我につながる危険があります。
そのため、火に強い生地かどうかは、必ず確認してから購入するようにしましょう。
その他にも、気温や天候、ストレッチ性や防汚機能など、作業環境によって付加するべき機能は変わってきます。
火に強いおすすめの作業着
綿100%の作業着上下
ヴィンテージテイストでかっこよくワイルドに着こなせる作業着です。
綿100%で火に強いことはもちろんですが、耐久性・防縮性にも優れています。
防寒対応なので、秋冬に特におすすめです。
綿100%の防寒用ブルゾン
動きやすさにこだわったブルゾンで、フードにはヘルメット対応のアジャストストッパーもついています。
火の粉があたる可能性のある外側は綿100%、裏側はポリエステル100%となっているので、ポリエステルの特徴である耐久性にも優れています。
落ち着いた色合いのブルゾンなので、コーディネイトもしやすく、また襟がボアになっているのもお洒落でおすすめです。
難熱素材の作業着上下
自己消火機能があり、防炎性に優れた作業着です。
火に触れても延焼せず、熱に溶けたり縮んだりしないので、火を扱う仕事でも安心して着用できます。
火を使う現場では、ポリエステル素材の作業着は危険
火を使う・火の粉が飛んでくる作業現場で着用する作業服は、火に強い綿か難熱素材のものを選びましょう。
耐久性に優れたポリエステル100%の作業着は、火に弱いという特徴があるため、注意が必要です。
ご自身の作業環境に合った素材の作業着を選び、安全に仕事ができる環境を作りましょう。