古いジャージやジャンパーを着ようとすると、チャックが壊れてしまったり、開閉しにくかったりといった経験は誰もがあると思います。

イライラして力ずくで閉めて壊してしまったり、あの手この手で直そうと試みたり、人それぞれの「修理」をしたはずです。

しかし、たいていは上手く直らずに壊れたまま使用したり、捨ててしまったりしているかもしれません。お気に入りの物であれば修理を頼むことも出来ますが、修理代が高かったり、直るまでに時間がかかることもあります。

そんな時は自力で直すという選択肢も実はあり、症状にはよりますが、自力の修理方法が存在するのです!

そこで今回は、ジャンパーなどのチャックが壊れた時の症状別対処法や壊れないための工夫などを紹介していきます。

チャックの仕組みとは

チャックの修理方法を紹介する前に、まずはチャックの仕組みを理解しておきましょう。チャックの構造や特徴を知るだけでも、イライラして力ずくで壊すこともなくなるかもしれません。

チャックの構造

チャックの構造は意外にもシンプルで、エレメントと呼ばれる左右の金具がかみ合うことで開閉が可能になります。そのかみ合わせを行うための器具としてスライダーがあります。

また、意外に気付かない部分としてエレメントを支えるテープの存在があります。

エレメント

エレメントは、歯車のように左右に器具が製品に取り付けられています。左右それぞれについている金具が交互にかみ合うことでジャンパーなどを占めることが出来ます。

エレメント1つ1つは小さな物で、製品の生地に縫い付けられています。大小さまざまなエレメントがありますが、基本的には形も構造も同じになります。

スライダー

スライダーは、エレメントをかみ合わせて、チャックを閉めるための大切な器具になります。指で操作するための引手、柱、胴体から構成されています。

胴体部分の中はY字になっており、一方に動かせばエレメントをかみ合わせて閉めたり、逆に動かせばかみ合っていたエレメントを離して開けることになります。

テープ

チャックと言えば、エレメントとスライダーに意識が行くと思いますが、実は土台としてなくてはならない存在としてテープがあります。

製品に直接エレメントを装着するわけではなく、エレメントが取り付けられたテープを製品に縫い付けていくことでチャックが完成します。

製品の用途や種類によって、合繊テープ、綿テープなどが使い分けられています。チャックを開閉する時の力をテープも支えてくれているので、縁の下の力持ちと言えるかもしれません。

故障の原因

チャックのどの部分が故障してしまうかによって対処も変わってきますが、基本的な原因としては2つあります。

1つは、無理な力がかかることによる故障です。チャックが閉まらずに本来と違った方向に力を大きく加えてしまったり、上手くかみ合っていない状態で無理に開閉させようとすると故障に繋がってしまいます。

もう1つは、劣化による故障です。これは、長年使用していれば各々の器具が緩くなってしまったり、傷んでスムーズな開閉が出来なくなってしまいます。応急処置も出来ますが、できれば新しいチャックに交換するのが良いでしょう。

症状別壊れたときの対処法

チャックの仕組みや、主な壊れる原因の次に、症状別の対処法を紹介していきます。壊れた器具によっても変わってきます。

エレメントの故障

チャックで最も多い故障がエレメントになります。エレメントの故障では、部品の一部が欠けたり、曲がったりすることが良くあります。

欠けてしまった場合

何かしらの原因で、エレメントの一部が欠けてしまうことがあります。劣化による場合や、何かに引っかかって欠けてしまうなど理由は様々ですが、とにかくかけてしまった場合には修復することは不可能になります。

しかし、欠けてしまったからといって使えないわけではありません。1か所くらいであれば、欠けても開閉することが出来る場合が多くあります。

ただし、欠けてしまった部分から他の部分へ負担が行ってしまい、さらに故障の原因となる場合もあります。スライダーが引っかかってしまったりすることもあるので、できれば新しいチャックに交換するなどの対応をするのが良いでしょう。

曲がってしまった場合

使用しているうちに、エレメントが違う方向に曲がってしまうこともあります。曲がってしまうと、スライダーが引っかかって開閉できなくなってしまいます。

そんな時には、ペンチで正しい方向に直す方法があります。ただし、力を入れすぎで壊したりしないように気を付けましょう。

スライダーの故障

次にスライダーが故障した場合の対処法になります。スライダーはエレメントを繋ぐ大切な部品です。

よくある故障としては、部品がゆがんだり、広がってしまうことでエレメントを上手くかみ合わせることが出来なくなってしまいます。無理に力を入れて使用したり、生地を噛んでしまったことで故障が引き起こされます。

修理法

スライダーの場合には、ペンチが非常に役立ちます。スライダーのゆがんでしまった部分をペンチで本来の位置に調整してあげることで、きちんと開閉が出来るようになります。

ただし、ペンチで締めすぎてしまうと狭くなってスムーズに開閉できなくなってしまう可能性もあります。広げすぎず締めすぎずの場所で調整しながら修理を試みてみましょう。

テープの故障

テープが故障した場合、生地とテープがほつれてしまったり、切れてしまったりすることが多くあります。

自力で縫い付けて修理できるのであれば、しっかりとほつれないようにして、ひどい場合には修理に出してお店で対応してもらうようにするのが良いでしょう。

壊れないようにできること

壊れてしまった時の対応も知っておくべきですが、そうならないために普段から気を付けるべきこともあります。

寿命を延ばす

最も大切でシンプルな方法として、チャックを大切に使って寿命を延ばすことがあります。無理な方向に引っ張ったり、必要以上にチャックを開閉させるだけでも故障を早める原因にもなりえます。

しかし、いくら大切に使っていても長年の使用による劣化は避けることが出来ません。大切に使う以外にも日ごろのメンテナンスによって更に寿命を延ばすことも可能にはなります。

油を塗る

古くなってしまったチャックは、錆びていたり、エレメントとスライダーのかみ合わせが悪くなったりしてきます。そんな時には、油をそれらに塗って潤滑油として活用する方法もあります。

製品にも寄りますが、基本的にはサラダ油でも問題ないので、綿棒やティッシュなどで錆びた部分を中心に塗っていけばスムーズに開閉が出来るようになります。固形石鹸も油が含まれているため同様の効果が期待できます。

外出先で応急処置

しかし、固形せっけんや油は常に持ち歩いているわけではありません。外に出かけているときにはどのようにすれば良いのでしょうか。

鉛筆、リップクリーム

多くの人が所持している、または町中で手に入る物として鉛筆とリップクリームがあります。

鉛筆は、芯の部分をエレメントに擦り付けるだけで潤滑油と同様の効果が期待できます。またリップクリームも同じように塗り付けることでスムーズな開閉が期待できます。

ただし、塗りすぎたり製品によっては痛めたりする場合もあるので、応急処置という気持ちで使うことが大切になります。

冷静に状況把握をする

チャックを使う時も、壊れて応急処置や修理をする時も、冷静に状況を知れるかどうかが大切ではないでしょうか。

チャックが単に壊れたと見るのではなく、どのような状態になっているのか、どこが不具合を起こしているのかなどをよく観察して対応するようにしなければなりません。

イライラして力任せに開閉を試みようとする人も多くいますが、より悪化させるだけなので症状によって必要な道具を使って対処しましょう。それ以上に故障がひどい場合には、専門のお店で修理をしてもらう方が良いでしょう。