白衣は、医療従事者や研究者など、職業によっては毎日着用している人もいます。
また、学生であっても、実験系の研究室などに籍をおいていれば、着用する機会も多いでしょう。
多くの白衣は服の上から着るため、「汚れていない」あるいは「あまり洗わなくても平気」
考えているかもしれませんが、目に見えない汚れがたくさんあるので、定期的に洗う必要があります。

洗濯やクリーニングに出している間は替えの白衣を着ることになりますが、
「何枚も白衣を買うお金はない」「自分に合ったサイズがなかなかない」ということも
あるでしょう。
そのような人は、自分で白衣を作るのもおすすめです。
白衣を自分で作る方法について、詳しくご説明します。

【参考記事】1着でばっちり決める!おしゃれ白衣を探すコツ▽

白衣を自分で作ろう!必要な材料

白衣を作る際に必要なのは、ミシンと白衣の型紙、白衣に使う布やボタン、接着芯、リッパーなどです。
それぞれくわしく解説します。

白衣の自作に用いる道具と材料

ミシン

特殊な縫製は必要ありませんので、ミシンは特殊なものではなく、
ごく一般的な家庭用のミシンで充分です。糸、針も特殊なものは使いません。

型紙

型紙はネット上で購入できるものもあるのでそれらを利用するか、型紙を載せた書籍を利用しましょう。
ネットの場合、価格は1000円程度で購入できるものもあり、
一度購入した型紙を保管しておけば何度でも作れて経済的です。
当然サイズによって型紙は変わりますので、自分にあったサイズの型紙を購入してください。
S・M・Lのサイズではなく寸法が記載されている場合もあるので、
そちらも参考にすると間違いありません。

生地

職場で着用するのであれば職場でよく着られているものに合わせるとよいでしょう。
その範囲内で、肌触りや見た目の好みで選ぶことをおすすめします。
おすすめできる生地は、ワイシャツを厚くしたような生地です。
疑問や不安があれば、ショップのスタッフに相談するとよいでしょう。

接着芯

服を作る場合、仕上がりや見た目を大きく左右するのは「接着芯の有無」です。
接着芯とは服にハリを持たせたり、型崩れを防いだりする役目を持っています。
ふだんは裏側に面しているので気がつきにくいものですが、
白衣を自作するのであれば見栄え向上のためにもぜひ活用してください。

リッパー

リッパーはボタンホールをミシンで型どった後に、布を裂いていくのに必要な道具です。
価格もそれほど高価なものではないので、
今後もボタンホールを使う衣服を作る可能性がある場合は持っていた方がよいでしょう。

背中、肩、脇…白衣は大きなパーツから順に縫う

白衣を作る際は、大きなパーツから縫い始めます。

布の処理を済ませる

まず、布の処理をひととおり終わらせます。
接着芯やほつれ止め、水通しをすることをおすすめします。
すべてのパーツの下準備を済ませましょう。

白衣の背中の縫製

背中や肩、脇といった大きなパーツから縫い始めていきます。
背中は二枚の布を合わせて出来上がるパーツです。
後ろ中心を縫い終わったら、どちらか片方に縫いしろを寄せ、アイロンで折り目をつけてください。

次に背中の上部分のパーツ「ヨーク」を縫います。
ヨークは肩や首などを覆う部分の切り替え布になり、縫い方によっては肩の補強にもなります。

白衣の肩・脇の縫製

続いて肩、脇を仕上げます。
後ろと前身ごろの生地の表同士が内側になるように重ねて縫ってください。
縫い終わったらどちらか片方に縫いしろを寄せ、そのまま見返しを縫います。
前の見返し部分の裏面が見えるように折り、襟は端から前の中心部まで縫ってください。
裾も縫う際には、裾の角を三角分切り落とします。
そうすることでひっくり返したときにきれいに裏返せます。

再び上部に戻り、襟の端から前の中心部まで縫ったところの前中心の縫い目を切らないように
切り込みを入れます。
見返しを裏側に折り、前中心から中心、裾までを縫います。

襟、袖…続いて白衣の小さいパーツを仕上げる

大きいパーツを縫い終わったら、次は襟や袖に入ります。
そのあとに小さいパーツに移り完成です。

白衣の襟の縫製

襟は、前中心から少しはみ出して重ねます。
このとき、襟と見ごろの表面が内側になるようにして重ねてください。
次にもう一枚の襟の縫いしろを内側に折ります。
襟同士の表面が内側になるように重ねて縫いましょう。

次に角から少し離れたところを三角に切り落とします。
このとき縫い目と切り落とす場所が近いと、
そこから糸がほつれてしまう可能性があるので注意が必要です。

切り落とすと内側に折りたたみやすくなるので、折りたたんだあとに、
表側に向けてひっくり返します。
できたら、身ごろの首の縫いしろと襟の縫いしろを襟の中に入れ、縫っていきます。
続いて襟と首の境目を縫いますが、手縫いで縫いましょう。

白衣の袖の縫製

次に袖のパーツに移りますが、袖は、袖山、袖底、袖口があります。
左右の袖底を縫い合わせ、腕が通る形にします。
袖は二枚とも表側が中になるように縫いつけてください。
裏地も同様です。
縫い終わったら、袖口を縫いしろに合わせアイロンをかけます。

かけたあとに縫って袖のパーツが完成します。
パーツが完成したら、本体と袖を合わせます。
裏返した身ごろの中に、袖を入れますが、このとき、袖は表面が見えるようにしておいてください。
身ごろと袖を合わせた肩口に、まち針を刺し、手縫いでしつけ糸を縫っていきます。
縫った端から、まち針は回収してください。

その後さらに内側部分をミシンで縫います。
ミシンで縫い終わった後はしつけ糸をほどいてください。

各パーツをつなげて白衣を組み立てる

最後に小さなパーツや部品を取り付けていきます。
ポケットは下に二つ、胸元にひとつつけます。
このとき、用途によっては数を多くしたり、ポケットのサイズを調整したりしてもよいでしょう。
ポケットの縫いしろを折り、縫っていきます。
手縫いで端から数センチまでのところを縫いますが、このとき、アイロンで、縫いしろを裏に折ります。

ポケットのパーツが完成したら、前身ごろに重ね合わせ、縫い付けてください。
ポケットの後はボタンホールです。
ボタンホールは一度開けてしまうと元に戻せないので、慎重に作業してください。
余り布などを使っての試し縫いを推奨します。

ボタンホールの位置が決まったらボタンホールをミシンで作り、
その後リッパーなどを使用して穴を開けていきます。
ボタンホールの作り方はミシンによって異なりますが、リッパーを使用して開ける際は、
糸を切らないようにまち針をストッパーにして使うといいでしょう。

以上で白衣作成は完了です。
縫い忘れがないか、袖を閉じていないかなど試着しながらひととおり確認しましょう。

白衣を自作するか、買い足すかは状況にあわせて

白衣の作成は2着目、3着目と数を重ねればより手際よく、上手に作れるようになります。
ハンドメイドが得意な人や好きな人、白衣にお金をかけたくない人、
たまたま白衣に使える布が余っているといった場合にはぜひチャレンジしてください。

白衣はかなり安価で購入できることも

ただ、節約だけが自作の目的であれば、
材料をそろえる前にざっと見積もりすることをお勧めします。
既製品の白衣でも手ごろな価格のものは多く用意されているので、
購入するほうが安く済む可能性は大いにあります。
既製品では自分のサイズにあうものがない、
ポケットの数や位置を使いやすく改良したいといった理由ならば自作のメリットが活きてきます。

既製品には既製品の良さが、手作りには手作りの良さがあります。
作ってみて初めてわかる部分もありますが、事前に材料費の合計と作成の時間を概算し、
既製品の白衣の価格も調べておくことをおすすめします。

また「既製品の白衣を購入したら袖だけが短かった」
「ポケットだけ増やしたい」といったときには、
既製品を自分でカスタマイズするのもおすすめです。

既製品の購入をお考えの方はこちらからどうぞ。

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DIYが好きなら白衣の自作も簡単にできる!

ここでは実際に白衣を自分で作るための手順や方法、必要な材料について解説しました。
白衣は作るのに工程が多そうな印象を持つかもしれませんが、
実際はパーツ自体細かいものが少ないので、それほど大変ではありません。

白衣を自作するメリットデメリットはさまざまあるので、それらを考慮した上で、
手作りを選ぶか、購入を選ぶか決断してみるとよいでしょう。