医療従事者の方は、白衣を着て勤務する機会が多いでしょう。
また、衛生や調理関係の従事者、実験を行なう職務に就いている方なども、
白衣を着る機会が多々あります。
毎日白衣を着て仕事をしていると、気づかないうちに何かが白衣に付着してしまったり、
汗をかいてそれがシミになってしまったりすることは少なくありません。

長年着用していると、汚れが積み重なって目立つようになったり、
洗っても落ちにくくなってしまったりする場合もあります。
他の色であれば汚れていても目立たないことも多いですが、
白い服はどうしても汚れが際立ってしまい、不快な印象になってしまうでしょう。
また、漂白剤を使っているのに汚れが落ちないという経験がある方も、いるのではないでしょうか。

そこで今回は、漂白剤の種類や、正しい使用方法について詳しくご紹介します。

【参考記事】白衣の完璧な洗濯方法について知りたい方はこちら▽

汚い白衣はマイナスの印象を与える

白衣は医療従事者や研究職などに定着したユニフォーム・スタイルであり、
一般の人から見れば専門性の高いイメージがあります。
病院で白衣を着ている人がいれば、医師または医療従事者であると伝わり、
「信頼できる」という印象も与えられるでしょう。

さらに白い色は「清らか、純粋」などのイメージがあるので、清潔感や爽やかな印象を与えます。
一般的な洋服であっても白い色は、それだけで印象が明るくなるといえるのではないでしょうか。

一方で、白はちょっとした汚れであっても目立ちやすい性質があります。
汚れがある服を着ていると、
周りの人に不快な印象を与えてしまい、自分に対するイメージまで悪くなりがちです。
清潔感がないと思われることで信頼性を欠いてしまうなどの影響もありえます。

清潔な白衣は重要な身だしなみ

白衣どっちがいいか

白衣は、仕事で着用する方にとっては毎日着る制服です。
医師など専門性が高く、信頼のある技術者が着用する場合が多いので、
その強いイメージがあるだけに少しでも汚れている白衣を着ていると、
マイナスな印象を感じやすくなります。
たとえ経験、知識、技術すべて遜色ない医師であっても、
汚れた白衣を着ているだけで第一印象が悪くはたらき、患者からの信頼を失うこともありえます。

より周囲との関係性を良好に維持するためにも、身だしなみに気を使うことは大切です。
職場で制服として白衣を着る方にとって、白衣は「顔」ともいえる重要な存在です。
周りに不快感を与えたり、信頼度を下げたりといった結果を招かないためにも、
汚れをきちんと落とした清潔な白衣を着用したいですね。

酸素系?塩素系? 漂白剤の種類と特徴

洗濯で落ちない衣類の汚れには漂白剤が有効です。
繊維に入り込んだ汚れの色をなくして分解する働きもあるので、
漂白剤を使うと頑固な汚れやシミなどがなくなったり、目立ちにくくなったります。
通常、漂白剤は洗剤を使って洗濯をしたあとに、
どうしても汚れが落ちなかった場合に使用するもので、
取れにくい汚れを落とす成分が含まれています。

白衣に使える漂白剤の種類

市販で取り扱われている漂白剤は種類があり、汚れの度合いや衣類の種類など、
それぞれの用途に合わせて選ぶことができます。

酸素系漂白剤

粉末の酸素系漂白剤は一般的で入手しやすいものです。
酸素系漂白剤の主成分は過炭酸ナトリウムで、色や柄の付いた衣類にも使用できるという特徴があります。
また、液体タイプの漂白剤は過酸化水素が主成分で、
粉末では使用できないとされる絹や毛のついた素材の衣類にも使うことが可能です。
ただし、粉末タイプの方が液体よりも汚れに強い成分が入っているので、
より強力な漂白効果を求める方はたいてい粉末の酸素系漂白剤を選んでいます。

塩素系漂白剤

さらに強力なのが、塩素系漂白剤です。
塩素系漂白剤はアルカリ性の液体であり、主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。
非常に漂白効果の強い成分であるため、頑固な汚れでも取り除くのに活躍します。
ただし、色や柄物の服や、絹、毛、ナイロンなどの柔らかくて
特殊な素材の衣類には使用することができません。

還元型漂白剤(還元系漂白剤)

酸素系・塩素系漂白剤は「酸化型漂白剤」と呼ばれる種類に属するのですが、
これとは異なる「還元型漂白剤」に分類される、粉末タイプの漂白剤もあります。
還元型漂白剤は、二酸化チオ尿素を主成分とし、鉄分による衣類の黄ばみを解消するのに役立ちます。

「白衣の汚れが落ちない」「ピンクになった」漂白失敗例

漂白は通常の洗濯ではとれない汚れを落とせるものですが、
誤った漂白剤の使い方で失敗することも多々あります。

漂白剤でよくある失敗

汚れが落ちない

洗剤を使用して洗濯したあとで漂白剤を使ったのに、汚れに対して効果がなかった、
というケースは多くあります。
この失敗の原因のひとつは洗濯槽の汚れにあります。
洗濯槽も使い続けると汚れが溜まります。長い間洗濯槽を掃除していないと、
洗濯をしても衣類の汚れが落ちにくくなり、漂白剤の効果も弱まることがあります。
以前よりも衣類の汚れが落ちにくい、漂白剤を使っても変わりない、といった心当たりがあれば、
洗濯槽効果が見られなくなったという場合は、洗濯槽を掃除してみましょう。

衣類がピンク色になる

漂白剤を使ったら衣類の一部分がピンクになってしまった、という色抜けの失敗例もよくあります。
これは、漂白剤の成分に含まれている染料が衣類の繊維に流れ込んでしまうケースや、
化学反応などを起こしてしまうことなどでみられる現象です。

衣類は繊維の種類ごとに耐久性は異なるので、
漂白剤を使用しても繊維に流れ込まない衣類もありますが、
耐久性が弱いものだと流れ込んでしまい色抜きの原因になってしまいます。
しかし、どの衣類が耐久性に富んでいるかは見た目でわからないのがほとんどなので、
まず漂白剤を使用できない素材の衣類には使用しないことが大切です。

そして、せっかくの衣類を台無しにしないためにも、色落ちテストなどを実施するのもいい方法でしょう。
色落ちテストは衣類の目立たない部分に、
綿棒で漂白剤を付けてドライヤーで乾かしたあと変化するかを確認するだけです。

汚れの種類を見極めて白衣をきれいに漂白しよう

漂白剤には種類があり、使用できない類いの衣類に使ってしまうと失敗の恐れがあります。
そのため、漂白剤を購入するときや使用するときには、使えない素材があるのか、
それは何かを確認しましょう。

失敗の多い色抜きの原因のひとつにも挙げられるのが、
強力な成分を含んでいる塩素系漂白剤を使用してしまうことです。
市販でも手に入るのですが、衣類に与えるダメージや使用できる素材が限られている難点から、
家庭での利用は不向きとされています。
汚れに強いからといって、いきなり塩素系漂白剤を使ってしまうと色抜きの原因につながり、
大切な衣類が着られなくなってしまうので注意しましょう。

衣類の場所や汚れの種類に適した漂白剤も

また、袖口や襟元の黒ずみや汗染みなどに効果のある専用の洗剤や漂白剤もあるので、
汚れの種類に合わせて適したものを使用することも大切です。

また、食べこぼしによる汚れには、食器用洗剤の使用も効果があります
汚れた部分に食器用洗剤を歯ブラシにつけてこすり、それでも落としきれなかった場合は、
洗濯用洗剤をつけて再度こすり、漂白剤につけてしばらく置いておきます。
汚れが浮いてきたら洗濯機で洗うと、落ちている可能性が高いです。

このように汚れの元になっている成分に合わせて、
洗浄方法を分けて最終的に漂白剤を使用するのも良い方法です。
また、汚れに気がついたら早い段階で落としましょう。
時間が経つとどんどん落としにくくなり、汚れにアプローチできる効果も期待できなくなります。

漂白を活用して、いつも清潔な白衣を

長く白衣着る

漂白剤は、なかなか落ちにくい衣類の汚れに効果を発揮する強い味方です。
白衣のような汚れが目立ちやすいものを洗浄するときに大いに役立ちます。

白衣を職場で着る方は、清潔感や高い信頼性などのイメージが強くあるので、
ちょっとした汚れであっても目立ってしまいマイナスなイメージを周囲に与えてしまうでしょう。
また、汚れを放置してしまっては、
周囲に不快感を与えるだけでなく汚れ自体が取り除きにくくなってしまいます。
そのため、汚れに気が付いたらできるだけ早めに対処するのが大切です。

漂白剤を使用して汚れを落とす場合は、
汚れの種類に合わせて使い分けをすると失敗せずに洗うことができます。
白衣は大切な制服なので、いつでも清潔に保ちましょう。