初めて白衣を着る職場についた人にとって、
まず気になるのが「白衣はどうやって管理するのか」という疑問です。

ここではそうした疑問にお答えするために、
白衣の一般的な扱い方や、自宅でキレイに洗濯する方法を紹介します。

白衣は職場管理?それとも自己管理?

白衣の管理は職場によってルールが違う

白衣は、病院、ドラッグストア、食品関係などを代表にして、
多くの職場で仕事着として採用されています。
そのため、職場ごとに管理の仕方も様々です。
感染症の管理が重要な病院では、約8割が白衣の支給があり、
洗濯方法も同じく8割ほどが病院と提携した業者で洗濯しています。

一方、約2割では自分で管理していたり、自前の白衣を用意していたりするため、
医療業界でもケースバイケースです。
衛生管理に厳しい医療業界でも、このように職場ごとの規定によって違いがあるため、
白衣を自宅で洗濯・管理することは珍しいことではありません。

自分で管理する場合どこで洗濯するのか

職場ではなく自分で管理する場合は、クリーニング業者に任せるか自分で洗濯することが基本です。
業者に任せる場合は、料金は一着につき500円~2,000円以内が相場とされています。
返却までにかかる時間は、3日から1週間ほどかかります。
あまり着用せず、月に1回~2回しか洗わないなら十分と考えられますが、
医療・介護用や調理用など、毎日着る必要がある職場では間にあいません。

そのため、毎日着る白衣の場合は、時間や費用の面から考えて、自分で洗濯することが基本です。
白衣を衛生的に使用するために、正しい洗濯・管理方法を身につけましょう。
まずは、毎日の基本的な洗濯方法から紹介します。

 

白衣の基本的な洗濯方法

普通の白衣の洗濯方法

基本的に洗い方の流れは

1.ポケットの中身をチェック
2.40℃以上のお湯と洗剤に浸す
3.洗濯機に入れて回す
4.干して乾かせる
となっています。

白衣にもいろいろな素材があります。
まずは綿やポリエステルを使用した一般的な白衣の洗い方をみていきましょう。

1.ポケットの中をチェック

まずは、ポケットの中を必ずチェックしておきましょう。
仕事場で着る白衣は、ボールペンなどを入れたままで忘れてしまうことが多く、
洗濯中にインクがこぼれて台無しになってしまうことがよくあります。
基本だからこそ、あなどらずに毎回しっかりチェックする癖をつけることが大切です。

もしも、うっかり入れたまま洗濯した場合は、すぐにシミ抜きをしなければなりません。
シミ抜きの方法は後で詳しく説明するので、まずは普段の洗濯方法を確認していきます。

2.40℃以上のお湯と洗剤に浸す

白衣にしみついた臭いや黄ばみをとるためには、
洗濯機で洗う前につけ置き洗いをしておくことがおすすめです。
タライやバケツなどの容器に30℃~40℃のお湯と洗剤を入れ、30分から60分ほど浸しておきましょう。
お湯の温度が熱すぎると生地が傷みやすいため、熱くなりすぎないように注意が必要です。

汚れが目立たない場合は、お湯ではなく水でつけ洗いするのもおすすめです。
使用する洗剤は、弱アルカリ性の粉末洗剤がおすすめです。
中性洗剤や液体洗剤に比べて洗浄力が強いため、キレイに浮かびがらせることができます。
漂白剤も使用する場合は、酸素系のものがおすすめです。
洗剤と同じように粉末状のものを使用しましょう。
ちなみに、白一色ではない白衣を洗うときは、
漂白剤には浸さずに白い部分だけを洗ってからつけ洗いしましょう。

3.洗濯機に入れて回す

つけ洗いが終わった後は、洗濯機で洗いましょう。
汚れることを前提に作られている白衣は、なるべくなら他の洗濯物と分けて洗うべきです。

しかし、毎日分けて洗濯機を回すことは大変であるため、
看護師でも一緒に洗っている人も多いと言われています。
そのため、白衣の汚れ具合や、他の洗濯物との兼ね合いを考えて決めましょう。
ただし、普通の白物と同じように、色付きの服とは分けることが大切です。
次のポイントとして、白衣を洗うときは、洗濯ネットに入れることが大切です。
そのままの状態で入れてしまうと、ボタンが引っかかってしまいます。

4.干して乾かせる

脱水が終わった後は、干して乾燥させましょう。
白一色の白衣なら色落ちの心配はありませんが、綿素材は長時間、
日光の下で干しっぱなしにしてしまうと柔らかさが失われ、硬くもろくなってしまいます。
そのため、乾いたらすぐに屋内に取り込みましょう。
風通しがよければ、日陰干しもおすすめです。

以上で白衣の基本的な洗い方は終了です。
しかし、白衣の素材やデザインによっては注意が必要な場合もあります。
次は特殊な白衣を洗うときの注意点を紹介します。

特殊素材の白衣は洗い方に注意!

白衣には綿やポリエステルの他に、
ウール製の素材や特殊な加工を施した生地を使用しているものもあります。
そうした特殊な生地は、通常の生地よりも肌触りがよかったり、汚れにくかったりするため、
着用しやすいことが特徴です。
そのかわり、通常の白衣と同じ洗い方をしてしまうと傷んでしまうことも多いため、
購入時に洗濯方法も確認しておくことが重要です。
一般的にウール生地の場合は、水か30℃前後のぬるめのお湯で洗ったり、
洗剤は生地に優しい中性の液体洗剤を使用したりすることが推奨されています。

【参考記事】シワとは無縁。正しい白衣の畳み方をチェック▽

 

頑固な汚れを落とす方法

インク染みの落とし方

まずはインクの種類を確かめる

インク汚れを落とすためには、まずそれが水性インクなのか油性インクなのかを調べましょう。
ボールペンでついてしまったインク汚れで、水性か油性か分からない場合は、
表面がつるつるした紙やプラスチックなどの素材に何か書いてみましょう。
染みこまずこすると消えてしまうようなら水性インク、そうでないなら油性インクです。

油性インクの洗い方

油性インクは水では落ちないため、エタノールか除光液を使って落とします。
小さめのブラシと汚れていい布かタオルを用意して、汚れのついている部分をあて、
裏側からエタノールをたらし、ブラシで軽く叩きます。
このとき、強く叩いたりこすったりして生地を傷めないように気をつけましょう。
汚れが布に移ってきたことを確認したら、
布の位置を少しずつ動かして汚れのついていない部分をあてながら叩きます。
色がまったく移らなくなったら、エタノールを軽く揉み洗いして落とし、普段と同じ手順で洗いましょう。

水性インクの洗い方

水性インクは油性インクよりも生地にしみ込みやすいため、さらに落としにくいやっかいな汚れです。
こちらはエタノールや除光液ではなく、普段の洗濯で使っている弱アルカリ洗剤や漂白剤を使います。
手順は同じで、布・タオルをあて、ブラシで叩いて色を移していきます。
こちらも色を移し終わったら、普段と同じ手順で洗いましょう。
色を移しきらずに他の洗濯物と洗ってしまうと、色が移る可能性もあるため、
しっかり落としておきましょう。

【参考記事】いつも使う白衣だから清潔に!正しい洗い方はこちらを確認▽

汗ジミによる変色の落とし方

汗がしみできた黄ばみは、時間がたつとなかなか落とせませんが、
ついたばかりなら落とせる可能性があります。
変色に気づいたら、すぐに落とすことが重要です。

汗ジミは水性インクと同じく、水溶性の汚れなので、水で軽く揉み洗いした後に、
洗剤をつけたブラシで叩いてしみ込ませましょう。
特に襟元や袖口は汗ジミがつきやすいので、夏場など汗をかきやすい時期は特に注意しておきましょう。

洗った後の白衣はどうやって保管する?

アイロンがけは必要?

ポリエステル混の白衣はシワになりにくいため、極端にシワが寄っていなければ、
アイロンがけはしなくても問題ありません。
綿製やウール製の白衣は水気を含みやすくシワになりやすいため、注意が必要です。
乾いた後はシワにならないように、なるべくアイロンをかけておくことをおすすめします。

軽いシワなら霧吹きで伸ばしましょう

わざわざアイロンをかけるほどでもないシワなら、霧吹きの使用がおすすめです。
白衣をハンガーにかけて、
霧吹きで全体をしっとりと湿らせてシワになっている部分を軽く伸ばしておきましょう。
しばらくかけておけば、水気の重みでシワが伸ばされます。

衣料用霧吹きスプレー

汚れの原因にも気をつけましょう

袖口など特定の部分だけ汚れやすい場合は、汚れてしまう原因をみつけて対策を立てることも大切です。
インクがつきやすいなら、書き物をするときの机と腕の位置を確認してください。
どうしても、汚れがついてしまう位置にあるならあて布を用意しておきましょう。
皮脂汚れがつきやすい場合は、制汗剤を使ったり、リストバンドを使ったりすることがおすすめです。

白衣は洗濯に気をつけて清潔を保ちましょう

白衣は正しく洗濯していれば、予想していたよりも長く清潔に使い続けることができます。
そして、普段から白衣の清潔さを保つことは、周囲からの信頼を得るためにも重要なことです。
消耗品だと割り切ってしまわずに、小まめに洗って清潔さを維持していきましょう。

【参考記事】自宅でもクオリティ高く!おすすめ洗濯術はこちらから▽