エプロンの結び方に色々なバリエーションがあることを知っていますか?

これから飲食店をオープンされる経営者のみなさんは、もちろん制服も考えることになるでしょう。
シャツやズボンは誰でも同じように着られますが、エプロンの着用方法は人によって様々です。
制服には統一感が求められますので、人によって着こなしが違うというのはあまり美しくありません。

従業員のエプロンの着方をしっかりと指導できるように、お店にあったエプロンの結び方について学びましょう!

飲食店にはこんなエプロンが向いている

飲食店といっても、調理、給仕、店内清掃など、1つの店舗の中には実に様々な仕事が存在します。
全てのポジションを1人で行う小さな店舗もあれば、キッチンはキッチン、ホールはホールとポジションごとに担当が分かれている店舗もあります。
ですから、飲食店のエプロン選びにおいては、各作業に適した機能性を持っているか、店舗の雰囲気に合ったデザインか、など検討すべき点が多々あります

全従業員が同じデザインの制服を着用すれば統一感が出ますが、作業するポジションによってエプロンを変えると、より作業効率が上がるでしょう。
また、サイズに関しては出来る限り統一しておくと管理がしやすいです。

アルバイト人員の入れ替わりによって不要になったサイズを持て余すと無駄になってしまいます。
フィット感が求められるシャツやズボンなどは個人個人のサイズを用意し、エプロンは紐で結ぶタイプにすれば体格にあわせてサイズの融通が利くのでおすすめです。

【参考記事】意外と見られてる?エプロンの結び方も要チェック▽

 

エプロン紐の結び方

ここでは、紐でサイズを調整できる『胸当てエプロン』『カフェエプロン』についてご紹介します。

どちらも多くの飲食店で採用されているタイプのエプロンです。

胸当てエプロン

胸当てエプロンとは最もよく見る形のエプロンで、首かけタイプやたすきタイプなどデザインが豊富です。
胸当てエプロンには、腰紐を後ろで結ぶ方法と前に回して結ぶ方法があります。

【後ろ結び】

リボン結びがちゃんとできるという人でも、後ろ手で結ぼうとすると縦結びになってしまうという人は多いのではないでしょうか。
しっかり結ぶと美しい印象を与えることができますが、縦結びになっていたり、左右の紐の長さがバラバラだったりすると、かえって雑な印象を与えます。

また、後ろで結ぶと余り紐が長くなります。飲食店では狭い場所に人がひしめきあっている場面も多く、何かの拍子に紐が挟まって引っ張られてしまう可能性があります。
調理スペースから飛び出たフライパンの持ち手や、お客さんのテーブルに置かれたお冷など、振り向きざまに周辺の物を引っかけてしまうことも少なくありません。
後ろで結んだ紐が何かに引っかかりそうになっても自分では見えないので、こまごましたものが周囲にある飲食店ではこの結び方は避けた方が無難でしょう。

【前結び】

胸当てエプロンfront

前で結ぶと綺麗なリボン結びができ、鏡で身だしなみのチェックもしやすいですね。

後ろで交差して前に紐を持ってくるので、ウエストの余り紐が短くなります。
短いと単純に引っかかりにくいことはもちろん、万が一引っかけそうになっても視界に入るので安全です。

さらに、一度リボン結びにした紐をウエストに回してある紐にからげることによって、よりスッキリとさせることができます。
ブラブラして気になるという人は、試してみると快適さが実感できるでしょう。

上にあげた胸当てエプロンの2つの結び方を比較すると、飲食店では機能性として前結びが向いています。

カフェエプロン

カフェエプロンとは、腰から下に巻くタイプのエプロンで別名ソムリエエプロンとも呼ばれます。

丈はショートからロングまであり、いずれもオシャレ感を演出できるところがポイントです。
カフェエプロンの結び方にはリボン結びと一文字結びの2通りの方法があります。

【リボン結び】

カフェエプロンリボン

リボン結びは結びやすくほどきやすいのが特徴です。
エプロンの着脱が多い場合はおすすめですが、やはり余った紐が遊びやすいので注意が必要です。

【一文字結び】

一文字結びと言われるとあまり聞きなれない言葉ですが、ソムリエや板前さんのエプロンを想像すると分かりやすいでしょう。
紐を固結びしたあと、片方の余った紐を先端から結び目まで折りたたみ、それをもう片方の紐でくるくると巻きつけ蝶ネクタイのような形にした結び方です。

こちらは着物の帯にも同じ締め方があり、とても崩れにくい方法です。
しっかり結べば何度も結び直す手間がはぶけますし、何よりコンパクトにまとまっており安全性においてもピカイチです。

物や人に引っかかる心配がなく、ポケットからペンなどを取り出すときも邪魔になりません。
些細なことですが、気持ちよく仕事をするためには小さなストレスでもないに越したことはありません。
カフェエプロンの結び方2つを比較してみると、リボン結びより一文字結びの方がどんな飲食店でも採用できそうです。

胸当てエプロンとカフェエプロンの結び方について検証してみると、どちらにも共通しているのは飲食店では作業の妨げにならないようエプロン紐をスッキリとまとめるのが好ましいということです。

しかし、必ずしも前結びや一文字結びでならないといった決まりはありません。
例えばケーキ店やドーナツ店のように、すでに調理済みのものを販売する場合は会計がメインですので、そこまで安全性を気にせずデザイン重視で選んでも良いでしょう。

【参考記事】基本を確認!コックコートの正しい着方▽

 

儲かる飲食店はエプロンの結び方まで気を配る

あなたは店舗の制服を考えるとき、どんな効果を狙って選んでいるでしょうか。

どんな経営者でも、最低限考えるのは『作業内容に適した機能性があるかどうか』、次に『お店のカラーに合っているか』『オシャレでセンスが良いか』などです。
しかし、それらはどれも集客に繋げるには?という大きなテーマのもと考えられた1つの対策にすぎないのです。
オシャレで機能性の高い制服を着ていても自己満足で終わってしまっては意味がありません。
つまり、集客のためにはお客さんが1番気にしているポイントを押さえる必要があります。それを理解せず飲食店で成功をおさめることはできないと言っても過言ではありません。

では、お客さんの最も気になる部分とは? それはずばり『清潔感』です。

意識的には「あのお店の制服可愛い」と思っていても、無意識の部分では「このお店の食べ物は安全か?」を気にしています。
自分の口に入れるものですから安全かどうか気にするのは当然です。
そして、その信用を決めるのが清潔感であり、清潔感を与えるポイントの1つがエプロンの綺麗さです。

綺麗さとは、もちろん毎日洗濯しているか?アイロンをかけているか?といった部分でも評価されますが、それはもはや最低限できているべきことであり印象には残りません。
お客さんに「あのお店の店員さんよかった!」と言わせるには、全従業員でエプロンの結び目まで統一させることです。
あなたは今「そこまでやる必要ある?」と疑問を抱いているかもしれませんが、よそのお店ができていないことをやるのが差別化を図る上で最も近道なのです。

エプロンの結び目を統一させることとあわせて、シャツやズボンもジャストサイズのものを着用させましょう。

学生のアルバイトなどはよくシャツをブカブカに着るのが可愛いと思っていたり、腰パンするのがかっこいいと思っていたりしますが、制服のかっこよさとは気崩すことではなく、きっちり着ることだと教えましょう。
制服を貸与するときに、ただ渡すのではなく着こなし方までしっかり教育して、印象の良いお店づくりをしていきましょう。

エプロンの結び方ひとつで印象は変わる!

いかがでしたか?同じエプロンでも結び方を変えるだけで仕事のしやすさに違いが出るということが分かっていただけたかと思います。
あなたの経営するお店にはどんなエプロンが向いているのか、どんな結び方をすれば印象がよくなるのか、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

一番参考になるのは、他でもない従業員の声です。
実際にエプロンの結び方をいくつか試してもらい、どちらが仕事しやすいか意見を拾い上げましょう。

また、「結び方が分からない、難しい」という人もいるでしょう。今はインターネット上にエプロンの結び方の動画もたくさん出ています。
まずはあなたがしっかりと覚えて、従業員に教えられる体制を整えましょう。

【参考記事】いつでも着られる状態に!エプロンのタイプ別畳み方▽