安全靴についてのお役立ち情報

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安全靴を用途に合わせて選ぶ場合は、パーツに使われる”素材”や”規格”にこだわってみましょう。パーツの素材に着目した選び方や、それぞれの素材に適した職種を紹介します。
また、JIS規格やJSAA規格に合わせて選ぶ方法もお教えするので、安全靴の購入をお考えの方は、ぜひ、参考にしてみてください。

7まずは安全靴のパーツ名を覚えよう

安全靴は、用途によって各パーツの素材を選ぶ必要があります。まずはパーツの名称を覚え、安全靴を選ぶ際の参考にしてみましょう。

甲被

甲被(こうひ)とは、靴の表面を指します。靴底を除いた上の部分で、アッパーとも呼ばれるパーツです。
例えば、素材表示の確認をする際、「甲被に合成皮革を使用」とあれば表面の素材は合成皮革、「甲被にナイロンを使用」とあれば表面の素材はナイロン、ということになります。

タン

安全靴としては、泥除けの役割があります。甲被の中央にある、ピラピラと動く部分です。シュータンやベロと呼ばれることもあり、砂や砂利が靴の中に入ることを防ぐ効果があります。

インソール

中敷きのことをインソールと言います。インソールは、疲れや足への衝撃を軽減したり、サイズの微妙な調整をしたりする際に役立つパーツです。
平らなものだけでなく、さまざまな形のものがあるので、インソールを工夫することで自分好みの履き心地を手に入れることができます。

ソール

靴底全体を表すのがソールというパーツ名です。製法によって強度が左右されるため、安全靴を選ぶ際はソールにも着目することをオススメします。
もし接着剤で簡単に貼り付けたような靴を選んでしまった場合、作業中にソールが剥がれて怪我をしてしまう恐れがあるので、しっかりと製法まで確認することが大切です。

アウトソール

靴底の一番下、地面に直接触れる部分がアウトソールです。この部分に使う素材によって、滑りや通気性、衝撃度合いなどを変化させることができます。

ミッドソール

ミッドソールとは、甲被とアウトソールの間の部分です。メーカーによっては、ミッドソールとアウトソールの素材を別々にしたり揃えたりすることがあります。

トゥーガード

つま先部分を補強するという枠割があるのが、このパーツです。トゥーキャップとも呼ばれており、つま先のめくれを防ぐという役割があります。

8パーツの素材に着目した選び方

安全靴を選ぶ際に着目すべきパーツは2つあります。それは甲被とソールです。この2つのパーツに使われる素材と、その素材に適した職種を紹介するので、見ていきましょう。

甲被の素材

甲被で主に使われる素材を4つ紹介します。

本革

熱と摩擦に強く、耐久性が高いのが本革の特徴です。そのため壊れにくく、長期間使用することができます。
しかし、水に弱いという特徴もあるので、その点には注意が必要です。濡れるとヒビ割れや染みができてしまいます。

【適した職種】
・溶接作業のある熱現場
・重たいものを運ぶ建設現場
・摩擦の多い工事現場

合成皮革

合成皮革は本革とは逆で、熱に弱く、水には強いという特徴があります。長期間使用すると劣化してしまいますが、その分安価で手に入れることが可能です。
また、色の種類が豊富なので、好みの色を選択することもできます。

【適した職種】
・梱包や検品を行う工場
・食品や部品を作る製造業
・食材や荷物を運ぶ運送業
・商品入庫や製品の組み立てを行う倉庫業

ナイロン

裂けやすい素材ではありますが、軽くて通気性が高いため、さまざまな用途があります。メッシュとして使われることが多い素材です。

【適した職種】
・梱包や検品を行う工場
・食品や部品を作る製造業
・食材や荷物を運ぶ運送業
・商品入庫や製品の組み立てを行う倉庫業
・木の伐採を行う林業

綿

火や熱に強く、水にも強いのが綿という素材です。避けにくいという特徴もあり、非常に強度の高い素材ではありますが、洗うと縮んでしまうので、注意して手入れをしなくてはいけません。

【適した職種】
・高いところで作業を行う鳶職
・木の伐採を行う林業

ソールの素材

次は、ソールによく使われる素材を3つ紹介します。

天然ゴム

車のタイヤにも使われている素材で、「弾性・耐摩擦性・耐寒性」が高いです。熱と油には弱いため、溶接の現場で使用すると溶けてしまう恐れがあります。

【適した職種】
・熱や油を使わない、運送業や倉庫業などの一般作業

合成ゴム

合成ゴムは、合成皮革と同じように種類が豊富です。使われている素材によって、耐熱性や耐油性が分かれています。
また、色も豊富に作られているため、ソールの色を1つのアクセントにすることも可能です。

【適した職種】
・素材で異なり、さまざまな職種に対応可能

EVA

樹脂製で非常に軽く、耐水性もあるため、サンダルにもよく使用されている素材です。
しかし熱には弱く、暑い場所に放置していると、縮んでしまうことがあります。

【適した職種】
・梱包や検品を行う工場
・食品や部品を作る製造業
・食材や荷物を運ぶ運送業
・商品入庫や製品の組み立てを行う倉庫業
・水を使う配管工や清掃業

9規格に着目した選び方

安全靴と呼ばれる靴は、JIS規格とJSAA規格という2つの主類に分けることができます。重作業を行う場合は基準の高いJIS規格の安全靴、軽作業を行う場合はJSAA規格の安全靴というように、基準を設けることで用途に適した物を選ぶことが可能です。

【JIS規格とJSAA規格の違い】

表は横にスクロールできます。

規格 JIS規格(JIS T8101)認定品
安全靴
JJSAA 認定品
プロテクティブスニーカー
種類 重作業用 普通作業用 軽作業用 通常の作業用 軽作業用
記号 H種 S種 L種 A種 B種
つま先性 耐圧迫性 圧迫荷重(kN) 15 ± 0.1 10 ± 0.1 4.5 ± 0.04 10 ± 0.1 4.5 ± 0.04
中底+先芯の隙間 下記「試験時の中底と先芯の隙間」を参照
耐衝撃性 衝撃エネルギー(J) 100 ± 2 70 ± 1.4 30 ± 0.6 70 ± 1.4 30 ± 0.6
落下高さ(cm) 51 36 15 36 15
ストライカ質量(kg) 20 ± 0.2
中底+先芯の隙間 下記「試験時の中底と先芯の隙間」を参照
表底の剥離抵抗(N) 300以上 250以上 300以上(革製)
200以上(人工皮革、ビニルレザークロス製)
250以上(革製)
150以上(人工皮革、ビニルレザークロス製)
甲被の種類 革製
総ゴム製
革製
人工皮革製
ビニルレザークロス製
試験時の中底と先芯の隙間
サイズ 隙間(mm)
~23.0 12.5~
23.5~24.5 13.0~
25.0~25.5 13.5~
26.0~27.0 14.0~
27.5~28.5 14.5~
29.0~ 15.0~

重作業はJIS規格

最も強度の高い安全靴は、H種の安全靴です。建設現場や鉄工所など、重いものを運んだり、熱作業があったりする現場では、JIS規格の記号にも着目し、選ぶようにしましょう。

JIS規格の安全靴とは、爪先部分に金属の芯が入っていて、足の先を保護することができるものです。また、ソールには滑りにくいゴム素材が使われており、安全性が確保されています。

一般作業はJSAA規格

運送業や製造業のことを、一般作業と指します。これらの職種なら、JSAA規格で十分に安全を確保することが可能です。ちなみにJSAA規格の靴は、安全靴ではなくプロテクティブスニーカーと呼ばれています。

JIS規格より強度は劣ってしまいますが、値段も手頃ですし軽くて疲れにくいというメリットがあります。形状や色も豊富なので、職場の制服や自分の好みに合わせて選ぶこともできるでしょう。

10様々JIS規格の安全靴とJSAA規格のプロテクティブスニーカー

JIS規格の安全靴と、JSAA規格のプロテクティブスニーカーを数点紹介するので、参考にしてみてください。

JIS規格の安全靴

JIS規格は、「短靴・中編上・長編上・半長靴」という4つのタイプに分かれます。

短靴

長さがくるぶしよりも短いタイプの安全靴です。楽に着脱することができ、さまざまな現場で活躍します。スーツと合わせても違和感がないので、作業現場や取引先など、着用する場所を選びません。
本革の甲被、合成ゴムのソールが使用された安全靴なら、溶接を行う現場でも使用することができます。

中編上

くるぶしの上くらいの長さで、ハイカットシューズのような見た目をしています。足首をしっかりと守ることができ、砂や水などの侵入を防ぐことが可能な安全靴です。

長編上

スネの部分まで長さがあるため、溶接の火花が靴の中に入ってしまうという状況もしっかりと防ぐことができます。短靴や中編上と比較すると、守る範囲が広いのが特徴です。
ズボンの裾を収納することで、工場や建設現場などで、機械に衣服が引っかかるという事故も防止できます。

半長靴

長編上と同じくらいの長さはありますが、靴紐はありません。そのため素早く着脱することができます。しかし、このような紐のないタイプの安全靴は、後から履き心地を調整することができないため、必ず自分のサイズに合ったものを選ばなくてはいけません。
きちんとサイズを測り、購入するようにしましょう。

半長靴

長編上と同じくらいの長さはありますが、靴紐はありません。そのため素早く着脱することができます。しかし、このような紐のないタイプの安全靴は、後から履き心地を調整することができないため、必ず自分のサイズに合ったものを選ばなくてはいけません。
きちんとサイズを測り、購入するようにしましょう。

JSAA規格のプロテクティブスニーカー

JSAA規格は、スニーカータイプの靴です。A種認定の安全靴と、B種認定の安全靴をそれぞれ紹介します。

A種認定

JIS規格のS種ほどの強度があるのが、A種認定のプロテクティブスニーカーです。建設現場や自動車整備工場などでも使用できます。
スポーツスニーカーのような見た目と性能を持っているので、動き回ることが多い現場で活躍します。

B種認定

運送業や厨房などで安全を確保するなら、B種認定のプロテクティブスニーカーを選びましょう。色も豊富で見た目もオシャレなので、普段も使用することができます。

11足にフィットする安全靴を選ぼう

ここまで、パーツの素材で選ぶ方法や、規格で選ぶ方法を紹介しました。しかし、素材や規格にこだわって靴を選ぶことも大切ですが、自分の足にフィットしていないものを選ぶと、足を傷めたり怪我をしたりする可能性があるので注意しましょう。

用途に合わせて「素材・規格・サイズ」を選ぶことで、安全靴の効果を最大限に引き出すことができます。直接店舗で購入する場合は試し履きをし、通販サイトで購入する場合は、しっかりとサイズ表を確認して選んでみてください。